2014年10月18日土曜日

食生活・牛乳②

 昨日は夕食後に梨を食べました。やっぱり旬のものは美味しいですね!皮を剥けないのに食べられるのか!?と買ってから思いましたが(笑)、無事に食べられました。
人間、必要に迫られればできるものですね。
    季節の変わり目で風邪を引きやすい今の時期は、白い食べ物を食べると良いらしいです。梨、大根、蓮根、蕪……これらが喉や鼻の粘膜を保護してくれ、風邪を引きづらくなるそうです。
ぜひ一度お試しあれ!

さて、前回は牛乳について書かせていただきましたが、今日はその続きになります。



飲めば飲むほど骨粗鬆症に!?

 前回のお話の中で、昭和22年(1947年)から始まったアメリカGHQ(連合国軍総司令部)の占領政策により、保健所での栄養指導や学校給食に牛乳が入るようになった、と書きました。その結果なんと、牛乳の消費量が増えるとともに骨粗鬆症も一緒に増えた、というデータが出ています。

 「あれ?牛乳って骨を強くするんじゃなかったの?」と疑問に思った方が多いと思いますが、実は逆だったのです。牛乳は、飲めば飲むほど骨を弱くしてしまうのです。

 他にもデータをご紹介します。
●アメリカ・ハーバード大学の研究で7,800人の女性を12年間追跡調査してみたところ、乳製品を多く摂取するほど骨折が多かった。
世界で最も牛乳を飲んでいる国・ノルウェーの骨粗鬆症は、日本の約5倍も多い。
●世界中の人々を対象に骨密度を調べる研究をしたところ、カルシウムの1日の摂取量が、アメリカで推奨されている1日のカルシウム摂取量とほぼ同じの人と半分以下の人とでは、1日のカルシウム摂取量が半分以下の人の方が骨が脆いという現象はみられず、有意差がほとんどみられなかった。
そもそも、健康維持に必要なカルシウム摂取量は分かっておらず、摂りすぎや少なすぎはもちろん害だがその基準となる適正量が謎である。
●沖縄の3大学による共同研究によると、沖縄に住む100歳以上のご老人は乳製品をほとんど摂らないが大腿骨頸部骨折が非常に少ない。
●アフリカ諸国とアメリカの黒人のほとんどは、白人に比べてカルシウム摂取量が少ないが骨粗鬆症の発病率が低く、骨密度はかえって高い。
●WHOの専門家グループは、「1日のカルシウム摂取量が300g未満でも、健康に害を及ぼすという確たる証拠はない」と結論。
  また、アメリカ小児科学会栄養委員会は「推奨されている1日の牛乳の消費量(子供はコップ3杯以上、大人は4杯以上)は、必要な量を上回っている可能性がある」と発表している。
●1日の平均カルシウム摂取量がアメリカ807g、スペイン308g、ブラジル250g、台湾13g、ガーナ8gと差はあるが、骨折して寝たきりになった人に有意差はなかった。
●アメリカ・ペンシルバニア州立大学のトム・ロイド博士は、12~22歳の女性グループを追跡調査したところ、牛乳が骨の強化に役立っていないことを突き止めた。
●ハーバード大学の看護師たちによる健康調査によると、ご高齢の女性を18年間追跡調査し牛乳を飲んでいる人と飲んでいない人を比べても有意差はなく、骨折の予防に役立っていないことが分かった。
●アメリカ「責任ある医療のための医師の会」によると、「動物性たんぱく質は血液を酸性に傾けるため、体はそれを中和しようとカルシウムを骨から引き出してしまうと説明しており、「骨粗鬆症の予防に役立つという科学的根拠はない」としています。

 このように、牛乳を飲んでも骨を強くする効果がないばかりか、飲めば飲むほどかえって骨粗鬆症になる危険性があるのです。



なぜ牛乳を飲むと骨が脆くなるのか?

 前回のブログで、「乳糖を分解するためにはラクターゼという消化酵素が必要」と書きました。カルシウムもこれと一緒で、牛乳のカルシウムを吸収するためにはラクターゼが必要になります。すると、思い出してください。生後1年半~4年くらい経つとラクターゼの活性が徐々に低下していくわけですから、成長するにつれてだんだんとカルシウムの吸収効率も悪くなるわけです。つまり、せっかく牛乳を飲んでもカルシウムはどんどん排泄されてしまうのです。

 1日の食事から摂取する推奨カルシウム所要量は、厚生労働省によると成人で600~700mg。またWHO食品産業部門は400~500mg、全米科学アカデミー食品栄養委員会は800mg、イギリスやカナダは500mgとバラバラ。
食品中のカルシウム量は、体がどれだけの量のカルシウム量を吸収するかを決定する1つの要素に過ぎず、食品中に含まれているカルシウムの量と、それが血管に入って最終的に骨や歯に届く量に相関関係はありません。牛乳1ℓあたりのカルシウム量は1,200mgですが人工栄養のため吸収は少なく、母乳1ℓあたりには300mgも入っていて多く吸収されるのです。

 カルシウムの吸収を促進するためにはビタミンD、マグネシウムなどが必要となりますが、牛乳にはマグネシウムが含まれていません。ですので、カルシウムはマグネシウムと一緒に摂らないと逆に骨が溶けてしまいます。
また多くの食品にカルシウムの吸収を阻害してしまうリン、食物繊維、たんぱく質などが入っています。特にリンは多く含まれており、カルシウムとの割合は2:1と2倍以上も多く、これが腸管内でカルシウムと結合することによって吸収を阻害してしまうのです。多くの栄養学者が「カルシウムとリンの比率が2:1以下の食品だけを摂るべき」と主張しています。



牛乳以外ならば良いのか?

 ここまで牛乳がどうして良くないのかを書いてきましたが、では他の乳製品についてはどうでしょうか?
ヨーグルトは脱脂乳か牛乳に乳酸菌を混ぜて、乳酸菌の力を借り発酵させて作ります。
乳糖は発酵の過程でブドウ糖とガラクトースの2つの単糖類に分解されています。また乳酸菌が体内での消化酵素の働きをしてくれるため、牛乳に比べて乳糖不耐の問題は起こりづらくなります。
また脱脂乳であれば乳脂肪分を除去してあるため、発酵と培養の過程でたんぱく質が変性するためにアレルギーを起こす可能性も少なくなります。

 牛乳を飲むくらいなら、ヨーグルトの方が良いのではないでしょうか。


 今回は途中、内容が少し難しかったかもしれないのでここで閉めさせていただきます。
最後「アレルギーを起こす可能性」という話がでましたが、牛乳が起こす体への悪影響は実は骨粗鬆症だけではありません。
次回、他の疾患との関連性をお話しいたします。

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