2016年3月31日木曜日

「健康印」という茶番

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

今日の記事も古いものになりますが、大事なものなのでご紹介させていただきます。
この「健康印」のお弁当やお惣菜は、以前にも当ブログで取り上げ、批判いたしました(笑)
「トクホ」と同じくらい、とんだ茶番ですね。

こういったものに騙されないような国民レベルに、日本もならないといけませんね。



添加物だらけのコンビニ弁当に厚労省が

「健康印」のお墨付き?


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コンビニ弁当はありがたい存在だが「健康な食事」といえるか?
 厚生労働省は、2015年4月より、コンビニエンスストアの弁当やスーパーの総菜などの加熱調理ずみ食品に「健康な食事」の認証マークを導入すると発表した。
検討会では、すでに成人1食分の栄養素量などの基準案が示されたという。
 基準案は、国民の食事の実態や「日本人の食事摂取基準」を踏まえた分析を参考に作成された。
主食は、1食あたりの炭水化物が50~70gで、玄米などの精製度の低い穀類が2割以上含まれること。魚や肉などによる主菜は、たんぱく質が12~17g、野菜やキノコなどの副菜は重量100~200gとなっている。1食のエネルギー量は650kcal未満、食塩は3g未満だ。
 「健康な食事」の認証は1食単位で、健康増進に必要な栄養素やエネルギー、塩分量の基準を満たしたものに許可される。主食、主菜、副菜の1品ごとの認証もあり、消費者はこれらを組み合わせて食べることもできる仕組みだ。製造・販売元には認証商品の報告が義務づけられる。

●基準を満たしているかは自己申告、添加物の含有には触れない「健康印」

 しかし、基準を実際に満たしているかどうかはそれぞれの製造・販売元の申告による。認証商品の報告義務はあるものの、商品に対して厚労省などの検査が一切ないとすると、この認証はどこまで信頼に値するのかは、はなはだ怪しい。
また、栄養素量は満たされているとしても、保存料や着色料などの添加物について、まったく触れていない点も大いに疑問が残る。
 一方、「健康な食事」の認証基準の根拠にもなっている「日本人の食事摂取基準」は、2015年版からエネルギーの指標をこれまでのカロリーから「BMI(body mass index=体格指数)」に変更する方針だという。BMIは肥満を判定する指数で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出するものだ。
 これまでの基準は、年齢や性別、身体レベルからエネルギー必要量を決めていたため、小柄な男性や大柄の女性には対応しきれていなかったが、今回、採用される基準では、望ましいBMIの範囲を維持できる食事量を示す。
 たとえば、目標のBMIは年齢が18~49歳なら「18.5~24.9」、50~69歳なら「20.0~24.9」、70歳以上なら「21.5~24.9」と設定。自分のBMIがこの目標範囲を下回っていれば、エネルギー「不足」、上回っていれば「過剰」ということになる。さらに食塩の1日の目標量を、16歳以上の男性は9gから8gに、女性は7.5gから7gとより厳しく設定している。
 厚労省によるこれらの新たな試みは、もちろん高齢化が進んだこととも無関係ではなく、生活習慣病予防や介護予防につながるのはいうまでもない。そして、独居老人などが増加している今日、手軽なコンビニ弁当やスーパーの総菜は、自宅で調理をしない人たちにとっては、ありがたい存在でもある。
 しかし、厚労省が自宅で調理して食べる「内食」よりも、できあいの弁当や総菜を食べる「中食」を推奨するのは、いかがなものか。「健康な食事」の認証は、それを食べれば"健康"になるという錯覚を引き起こしかねない。 
 厚労省は、この認証マーク導入に伴って、マークのデザイン公募を行なった。「マークは原則カラーで、主食、主菜、副菜を判別しやすいデザイン」としている。来春、このマークの付された弁当がコンビニにお目見えする。果たして、厚労省お墨付きの弁当・総菜は、消費者、いや国民の心をつかめるだろうか。
(文=チーム・ヘルスプレス)

2016年3月29日火曜日

電子タバコは禁煙に有効か?

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

本日2本目の投稿もタバコについてです。といっても、電子タバコについてですが。
個人的にはニコチンパッドやら電子タバコやらといった方法は禁煙に効果があるとは思えないのですが、まあ、それで禁煙できるのであればいいのではないでしょうか。

タバコが体に悪いというのは周知の事実ですが、では電子タバコは大丈夫なのでしょうか?
結局はその吸っている「中身」が重要なわけで、一体「何が」入っているのでしょうか?

前回も申し上げましたが、基本的に喫煙は自己責任です。それで病気になろうが何しようが自業自得です。ただし、現実には副流煙の害というものが存在しますので、話は喫煙者本人の問題だけでは終わりません。
そういった意味では、電子タバコの場合は副流煙で周りに害を撒き散らす、といったことがない分良いのではないでしょうか。

横浜も、歩きタバコ禁止の条例作っていただけないかな。



電子タバコは禁煙効果高いけれど危険?
厚労省も規制を検討 毒性物質を含むとの報告も

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©[ scyther5]/123RF.COM
 ややプチブームになりつつあるのが電子タバコ。カートリッジにニコチンを含む液体を詰め、これを充電式電池を使って電熱線で蒸気化して吸引するというものだ。電子タバコでは普通の紙巻きたばこと違ってニコチンを含有しないものもある。火を使わず、副流煙も発生しないため基本的に紙巻きタバコと比べ、周囲に対する安全性は高まっている。このためその販売市場は徐々に拡大し、現在では全世界で3000億円規模の市場を形成して、日本でも10業者以上が製造・販売をしている。
 日本では2010年のタバコの値上げをきっかけに禁煙グッズとしての効果にも期待が集まっている。ニコチンを含有したシートを体に貼るニコチンパッチと同じかそれ以上に禁煙に有効とする報告も公表されている。
 ニュージーランド・オークランド大学のChristopher Bullen氏らは、年齢18歳以上で喫煙本数1日10本以上の成人喫煙者で、禁煙を希望する657人を対象として研究を実施。「ニコチン16mgを含有する電子タバコ群289人」「ニコチン21mgを含有するニコチンパッチ群295人」「ニコチンを含有しない電子タバコ群73人」に分けて13週間使用後に禁煙に踏み切らせた。
 この結果、開始から6カ月目の禁煙持続率は、ニコチン含有電子タバコ群が7.3%、ニコチンパッチ群が5.8%、ニコチン非含有電子タバコ群が4.1%となった。これを統計学的検討で厳密に比較すると、3群間では差は認められなかった。つまり、従来から禁煙治療に用いられているニコチンパッチと電子タバコは同じ効果があると言えるわけだ。しかも、電子タバコにニコチンが含まれているいないにも関わらず効果は同程度なのである。
 一方で、禁煙失敗者も含めた6カ月時点での当初からの1日当たりの喫煙本数の減少率は、ニコチン含有電子タバコ群が57%、ニコチンパッチ群が41%、ニコチン非含有電子タバコ群が45%。また、禁煙失敗者の喫煙再開までの期間は、ニコチン含有電子タバコ群が35日、ニコチンパッチ群が14日、ニコチン非含有電子タバコ群が12日だった。いずれもニコチン含有電子タバコ群は、ニコチンパッチ群に比べて統計学的検討を行っても明らかに有利なことが分かった。

●禁煙効果よりも含有している有毒成分が問題

 基本的にニコチン成分を含まない電子タバコについては類似的な香料が含まれる気体を吸うのみでれば、医療的な効果はほとんど期待できないとされるが、プラセボによる禁煙一定の効果はありそうだ。しかし、この研究では禁煙持続率の数字がかなり低いのも気になる。さらに注意しなければならないのは、これらは電子タバコにしろニコチンパッチにしろ医師などの指導に基づいて禁煙指導が行われている点だ。つまりそのような環境が整っている状況下で禁煙に取り組むならば、電子タバコという手段も有効な可能性があるということにすぎない。とりわけ肌が弱くてニコチンパッチを貼るとかぶれてしまう可能性がある人達には、電子タバコが新たな選択肢にもなりうるかもしれない。
 最近ではチョコレート味など蒸気の香りが多彩になってきている弊害として、未成年者も手を出しやすくなっていることから、世界保健機関(WHO)が若年者をターゲットにした広告規制や公共屋内での使用禁止などを求める報告書を公表するなど風当たりが強まっている。またアメリカ食品医薬品局(FDA) は一部の電子たばこに発がん性物質をはじめとする毒性物質が含まれることを報告書内で示している。
 電子タバコの普及を受けて厚生労働省は国内の電子タバコの利用状況と健康影響の調査を始める。多くの有害物質が含まれているという指摘があり、調査結果をふまえ規制も検討中という。(文=チーム・ヘルスプレス)

喫煙者の保険料

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

この記事はかなり古いものですが、日本の健康保険制度についてかなり考えさせられる内容ですので、ご紹介させていただきます。

以前にも禁煙治療の保険適用の範囲が拡大する、という記事に対して反対という私見を述べさせていただきましたが、それと同様に喫煙が主な原因として何かしらの病気になった場合は、その治療費は保険適用外にするべきではないか、とも思っています。
なぜなら、それは自業自得だからです。

もちろん、その病気が本当に喫煙が原因なのか、というのを証明するのは不可能ですので、現実に制度化するのは難しいとは思いますが、この記事にあるように喫煙者の保険料は上げる、というの提案もなかなかに良い考え方だと思います。

ちなみに、これはすべての生活習慣病に当てはまります。
自分の不摂生が原因で病気になっておきながら、他人の税金(自分でも払っているとはいえ、その多くは)で治療する、これほど身勝手な行為はないと思います。

考え方として、生活習慣病になった人、もしくは生活習慣病になるリスクの高い不摂生な生活をしている人の保険料は引き上げる。健康保険は使わせない。
逆に、健康的な生活をしている人の保険料は下げる。
こういった抜本的な改革をしない限りは、今の日本国民の健康に対する意識や社会保障費の財源に対する危機感などは変わらないと思います。残念ながら...。

もちろん、本質的なことを申し上げるならば、こういった「懲罰」的なやり方ではなく、私たち国民一人一人が意識を変えていって危機を乗り越えていくべきだと思いますし、そうしていきたいと思っていますが。



肺がん死亡率4.5倍、喉頭がん32.5倍

健康に無頓着の喫煙者の保険料は高額で当然?

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画像「Shutterstock」より
 古い劇映画などを見ていると、登場人物に喫煙者が多いことに改めて驚かされる。いや、そんな古い話でなくともいい。つい10数年前でさえ、町中の至るところでタバコの煙をくゆらす人を見かけたし、灰皿のない飲食店は少なかった。
 ところが、今や街中を見渡しても喫煙者の方が少なく(というより、ほとんどいなくなった)、駅の外の小さな喫煙コーナーなどで数人が肩寄せ合ってタバコを吸う姿を目撃するぐらいである。
 
 喫煙者にはかなり暮らしにくい世の中となっているのだが、ここにきて医療保険料にも喫煙の有無が反映される可能性が出てきた。政府の産業競争力会議の分科会は、個人の健康に対する取り組みに応じた医療保険料決定の仕組みを提言している。
 つまりは、真面目に健康増進に取り組んでいる人の保険料は低くし、健康のことなど無頓着に生きている人からは高く徴収するということだ。
 
 分科会委員によると「健康増進に努力した人が報われるような制度にすべき」で、それが金銭的なインセンティブとして与えられることで、いわば「アメとムチ」のような意味合いを持つことになる。

●いずれは「非喫煙証明書」の提出が必要に?

 もちろん、こうした喫煙における「アメとムチ」作戦は賛否両論で、喫煙派からよく出る意見として「何十年とタバコを吸い続けても健康な人はいる」というものがある。元気な高齢者の中に喫煙者がいることは確かだ。しかし、喫煙者と非喫煙者を比較した場合、あらゆる病の死亡率で喫煙者のほうが高くなっているのも事実なのだ。
 
 がんでは、肺がん(非喫煙者の4.5倍)、肝臓がん(3.1倍)、口腔・咽頭がん(3倍)、食道がん(2.2倍)などと、どの部位でも死亡率は高くなっている。喉頭がんに至っては実に32.5倍なのだ。
 がんだけでなく、肺気腫(2.2倍)、クモ膜下出血(1.8倍)、胃潰瘍(1.9倍)、虚血性心疾患(1.7倍)と、やはり喫煙者の方が高率である。また、ひどくなると酸素ボンベが手放せなくなる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症原因の9割は喫煙だということがわかっている。
 
 2006年4月から禁煙治療に健康保険が適用されるようになったが、この時にも決定までの間に反対意見が噴出した。とくに「喫煙は個人の嗜好であるから、そこに公的な保険を適用させるべきではない」という意見が多かった。禁煙そのものも「個人の責任で行うべき」との意見が出されている。
 
 しかし、重い病気(がんや心臓病)を患った場合にかかる医療費の大きさ、さらには副流煙による非喫煙者への影響なども考え合わせると「保険適用はやむなし」という意見に傾いていったのだ。こうした世の動きや啓蒙活動によっても喫煙者が少なくなっていったのだから、効果があったというべきなのだろう。
 
 そこで、今回の保険料における「アメとムチ」作戦だが、過去の禁煙治療への保険適用のようにスムーズにはいかない可能性がある。というのは、喫煙者にも1日に何箱も吸う人もいれば、1日数本しか吸わない人もいる。それを一緒くたにしていいのかどうか。ほかにも、ヘビースモーカーの家族はどうなるのか、禁煙してからの年月の長短は鑑みられるのかなど、多くの問題が山積しているのである。
 
 提言では、こうした医療保険におけるインセンティブ制度の導入に関しては、あくまで企業の健康保険組合や市町村の国民健康保険などの運営側に任せる、としている。
 いずれにしても細則づくりは難航するだろう。いずれは、喫煙者でないことを証明するための「非喫煙証明書」のようなものさえ必要になってくるのかもしれない。
(文=チーム・ヘルスプレス)

2016年3月28日月曜日

イオンの横暴

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

久しぶりのブログ更新です。
当院の近くにもイオンがあり私もよくお世話になっていますので、あまりこういった記事は載せたくなかったのですが...ですがここは敢えて心を鬼にして、イオンさんのために載せたいと思います。
やはり、良いお店が1店舗でも増えて欲しいですし、良いお店には残って欲しいですからね。


偽装米、8割が中国産…イオンは危険な食品だらけ?
告発本は即撤去の横暴
http://biz-journal.jp/2013/11/post_3298.html

イオングループ本社ビル
(「Wikipedia」より)
 「週刊文春」(文藝春秋/10月17日号)が掲載した『「中国猛毒米」偽装 イオンの大罪を暴く』が波紋を呼んでいる。
この記事は流通大手イオンで販売された弁当などに産地偽装された中国米が混入していたこと、さらにイオンの検査体制のずさんさや、仕入先の卸売会社との不透明な関係、全商品の8割が中国産であることなどを告発したものだ。
 これに対しイオンは「記事の内容は事実に反する」として謝罪と雑誌の回収などを要求。これを拒否されると1億6500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 だが、イオンの取った措置はそれだけはない。全国のイオンやイオングループ傘下のミニストップなどの直営店から「週刊文春」を撤去してしまったのだ。結果「週刊文春」はイオンから姿を消した。これは言論に対する暴挙だとして「週刊文春」側も「読者の知る権利、報道の自由を失わしめ、誠に遺憾」と反発している。

●過去にも書籍を撤去しているイオン

 しかし、イオンがこうした手段を講じるのは今回が初めてではない。
「以前にも、イオン内の書店から“危ない本”として認定され、大量返品、撤去されてしまった書籍が存在するのです」(取次関係者)
それが『プライベートブランド食品の危険度調べました』(三才ブックス/渡辺雄二)というムック本だ。
 セブン&アイホールディングス、イオン、サークルKサンクス、ファミリーマート、ローソンなど、大手流通企業が展開するプライベートブランド(PB)に含まれる食品添加物を、科学ジャーナリストである著者が徹底調査、その危険度に応じて「不可」「可」「良」「優」と4段階にランク付けしたもの。
 例えば、ハンバーグやミートボールなどの人気肉系惣菜では、セブンプレミアム(セブン&アイ)のデミグラスソースハンバーグは、添加物が多くカラメル色素も使われているので「可」、ファミリーマートコレクションのスモークタンは亜硫酸Naが添加されているので「不可」。また洋風スイーツの項目では、セブンのショコラクランチ&ティラミスがアスパルテームやカラメル色素が使われていて「不可」、ローソンのプレミアム純正クリームチョコレートは添加物を使っていないので「良」といった具合だ。ほかにもサラダ、ジュース、冷凍食品、菓子パンなど、それぞれ発がん性、遺伝子組み換え、添加物の危険性も記されていて、消費者にとって危険な商品から身を守るテキストになっている。
 もちろんイオンブランドのトップバリュ商品も多くランク付けされている。マカロニサラダ「不可」、乳酸菌ウォーター「不可」、わかめスープ「可」、もずくスープ「良」など。中には高ランク「優」が付いた有機野菜ミックスなども存在する。
「しかしイオンはどうやらこのムック本がお気に召さなかったらしく、発売から1カ月もたたずに、ほぼ全てが返品されてきました」(前出の取次関係者)

●食品の危険を指摘されると過剰反応

 さらに“危ない本”はこれだけではなかった。同じく渡辺雄二著の『食べるなら、どっち!? 不安食品見極めガイド』(サンクチュアリ出版)も、同じ憂き目に遭ってしまったのだ。
 この書籍はポテトチップスやハムなど加工食品をメーカー、ブランド別に「食べるならどっち?」と勝負させ、原材料や添加物の危険性を比較紹介する。「ポテトチップスはカルビー派か、湖池屋派か?」といった具合だ。
 もちろんイオンのトップバリュはここにも登場する。ポテトチップスのコンソメ部門では、湖池屋と比較され、「『食べるならこっち』として湖池屋、イオンは『こっちはダメ』」と評され、あえなくイオンの負けという結果になっている。だが、イオンも負けてばかりではない。加工食品の王様ともいえるハム・ソーセージ・ベーコン部門では丸大食品、プリマハム、日本ハムという老舗食肉メーカーを退け、勝利を飾っているのだ。
 これで撤去措置というのは、イオンは過剰反応ではないか。そもそも本や雑誌を扱う書店もまた、言論や表現の自由の一翼を担う存在なのだ。抗議や訴訟、流通を握っていることをかさに特定のメディアを排除するのは、その自覚が足りないといわれてもやむを得ないだろう。
(文=編集部)

2016年3月23日水曜日

“栄養”ドリンクの実際

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

先日、あまりにも疲れを感じたので久しぶりに栄養ドリンクを飲んでみました。
効果は...よく分かりませんでした(笑)。
実態を知ってしまっている以上、自分で自分にプラセボを掛けないと当然効きませんよね。当たり前の結果でした(^^;



カフェインもタウリンも効果なし?
ユンケルは飲むだけ無駄!?
http://biz-journal.jp/2012/09/post_683.html


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成分をしっかり見て、見極める必要あり!
 オイーッス! みっなさーん 生きてますかーっ!? 不景気に負けて血反吐、吐いてませんかーっ?
 と、いうわけで今回は暑い時期に飲んでしまう人も多い、健康ドリンクについてちょいとばかり裏側をお話させていただこうかと。
 あ、念のために言っておくと、健康ドリンク大好きな人、アレが無いと死んでしまうという人は読まない方がいいですよ。知らなければ良かったのに……と苦情を言われても困りますので、あしからず。
●知っているようで知らない健康ドリンクの実態
 そもそも健康ドリンクってなんでしょう? 実は明確な定義はありません。栄養ドリンク、健康ドリンクなどと名前が付いていますが、ほとんどが法的な意味ではただのソフトドリンク(清涼飲料水)、または酒類に該当します。
 ユンケルとかゼナとか薬局の冷蔵コーナーでドヤ顔パッケージで並んでいるものから、レッドブルやオロナミンCのようなほとんどソフトドリンクのようなものまでさまざまです。
 そんな健康ドリンクを選ぶ前に、何が入っていて何が効くのか知っておきましょう。
 健康ドリンクの成分はざっとこんなところです
・タウリンやビタミンなどの健康補助成分
・高い健康ドリンクには様々な生薬の抽出エキス
アルコール
・液糖(ガムシロップ)
・カフェイン
添加物(香料、増粘多糖類や色素、安定剤諸々)
・水
 前提として、薬局で販売される一般的な生薬に即効性のあるものはまずありません。また、漢方薬に即効性など期待する方が根本的に間違っています。漢方薬はあくまでゆっくりとした効き目のあるものです。
 中にはある程度の即効性があるものもありますが、それらの生薬はほとんどが医薬品として認定されています。故にソフトドリンクやら酒などの「食品」には入れることができません。(※厳密にいうと漢方には食品に入るものも医薬品であるものも存在します。また最近は、第2類医薬品に該当する健康ドリンクも存在しますが、一部漢方成分に準拠しただけで効果は今ひとつ、となっております)
 ですので、健康ドリンクに含まれる生薬は即効性があるわけがないのです。というか真に疲労回復効果なんてすごい効き目のある生薬があったら各社が競うように使うわけですが……。売りの成分が各社バラバラということはどういうことか……お察しください(笑)。
 では、タウリンなどの栄養素が効くのでしょうか? こちらもありえません。そもそもタウリンで元気になるならスルメでも食べていればいいのです。スルメ食ってるオッサンが健康そのものならそれでいいのですが、残念ながら気のせいレベルです。ビタミン類も相当欠乏症を起こしていなければ即効性はありません。
 そうすると残るはアルコール、カフェイン、液糖……ですが、これらに霊験あらたかな効能があるとも思えない。
 今まで高いお金を出して健康ドリンクを買って満足していた人には申し訳ないのですが、どこにでもあるアルコール、カフェイン、液糖、この3つこそが元気の源です。
 メカニズムは簡単。まず、アルコールもカフェインも単体ではそれほど効果はありません。しかしアルコールの血管拡張+体温上昇、カフェインの精神賦活作用+心拍数増加、液糖による血糖値の上昇。この3つが同時に起こると、ストレスで疲れが廻っている体は末梢の血流が鈍っているので、アルコールで血の巡りがよくなり、脳の血流もよくなりカフェインの効き目も高まります。さらにペットボトル症候群(急性の糖尿病)でおなじみの液糖は血糖値をグンと上げるので疲れた体には染み渡るような効果があります。
 
 ちなみに添加物は増粘多糖類(キサンタンガム、グアーガムやペクチンなど)は品質の安定剤だけではなく、片栗粉よろしく液体にトロみを持たせ、色は生薬の抽出液の薄さがバレてしまうのでカラメル色素や天然色素で見た目をよりクスリっぽくすることでプラセボ効果を高めています。……◯◯のタネあかしをしてしまうと意味ないわけですが。
 これって要するに気の抜けた少量のビールにガムシロップをダバーっと、インスタントコーヒーを大さじ2杯入れたものと健康ドリンクは同じ効果を持ちます。
●ヘルドクターが選ぶ、本当に効く健康ドリンク
 さてと、困りました。栄養ドリンクの正しい選び方を紹介する記事で、全商品が不要という画期的なことになっているのですが、それでも「栄養ドリンク」や「元気を出す」という意味では、いくつか面白い商品が出てきているので紹介しましょう。
●『スパークリング BLACK BLACK』(ロッテ/実売200円程度)
 健康ドリンクの効果がカフェインと糖類であるならば……と開き直った感じのドリンク。発売はお菓子のロッテ。パッケージも眠気対策にドライバーに愛用されるブラックブラックガムそのまま。別にガムを噛んでいればいいだけの話ですが、メントール系の味にガムをそのまま液体にしたような味と香りでいろんな意味で目の覚める飲み物となってます。小さいながらも100ミリグラムのカフェイン(コーヒー1杯程度)を含み、眠気覚ましドリンクはどれもマズいコーヒー味なのでたまにはいいかもしれません。
●『超濃縮Super 野菜1日これ1本』(カゴメ/実売300円程度)
 こちらも製薬会社のものではなく食品会社のものですが、手軽に栄養補給をするという原点回帰の意味では最も栄養密度が高そう……ということで紹介。野菜の濃縮エキスなので栄養素が非常に多く、特にカリウムが際立って多くとれるので、高血圧の人や野菜不足の人には即効性すらありそうです。味も食品メーカーらしくできの悪いトマトジュースといったもので飲みやすく効きそうな味に仕上がっていて良い感じ。
●『ソルマックプラス』(大鵬薬品工業/実売350円程度)
 ようやくドリンク剤っぽいものです(笑)。第2類医薬品でカンゾウエキスを調べた限り一番多く含むドリンクということで紹介。カンゾウ(甘草)は漢方薬では珍しく効果が西洋医学的に分かっているもの。主成分であるグリチルリチン酸は肝機能を高め、アセトアルデヒドなどの有害な代謝物を排出することが分かっています。・・・・・まーかつてはグリチルチリン酸単品の薬も売っていたわけですが、今は薬事法改正で買えなくなったのもあり、これくらいしか無いという悲しい現実が。
●『ルル麻黄湯』(第一三共ヘルスケア/実売3本入り1000円程度)
 第2類医薬品であり、薬局売りの薬の中でも最も強力な賦活作用を持つドリンク剤となります。風邪の弾き始めに飲め……というだけあって強烈な味と臭いが駄目で、まったく飲めない人もいる強烈な薬臭のこのドリンクは、漢方の中でもキツめの麻黄湯の配合となっており、1本でもかなり強力な賦活作用と体温上昇、心拍上昇、を引き起こし免疫力に渇を入れます。ただしくれぐれも連用は禁物で、2〜3本消費したら、1〜2週間はインターバルを開けないと効果が無くなっていくどころか、臓器に対するダメージや頭痛などの副作用が上回って害となります。眠気覚ましや元気付けの使用は、規格外の使い方となるのでくれぐれもご注意の上で。
(文=へるどくたークラレ)

2016年3月22日火曜日

薬剤価格...新薬vsジェネリック

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

三連休は良いお天気で良かったですね☆いかがお過ごしでしたでしょうか?




新薬よりジェネリック医薬品のほうが高くつく
歪んだ薬剤価格は是正されるのか?


【ビジネスジャーナル初出】(2014年9月)

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必ずしも安くならないジェネリック医薬品
 一般的にジェネリック医薬品の薬剤価格は、同一成分の新薬の2~8割ですむ。ところが、ジェネリック医薬品を選択したのに窓口で払った薬剤費は新薬にした場合より高かった、という奇異なケースも世の中にはあるのだ。一体どういうことなのか。
 
 まず、ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が失効後、多くはその新薬メーカーとは別の企業が製造した同一成分の薬剤だ。一般に新薬は開発コストが200億円程度といわれるのに対し、同じ成分のジェネリック医薬品を開発するコストはたかだか数千万円程度。この原価の差が販売価格に反映され、ジェネリック医薬品は安価となるのである。だからジェネリック医薬品を前面に打ち出している製薬会社は、新薬を生み出す力がないため、特許切れで製造コストがかからない薬に特化しているにすぎない。
 
 では、なぜ新薬とジェネリック薬の価格が逆転してしまうのか?たとえば、てんかんや偏頭痛に使用される「デパケン細粒40%」という薬がある。新薬の価格は1g当たり24.8円、ジェネリック医薬品の薬剤価格は1g当たり26.8円で、後者の方が2円高い。実は、ジェネリック医薬品のほうが高い医薬品成分は日本国内で10成分弱、新薬とジェネリック医薬品が同じ価格の成分が10成分強ある。

●日本独自の薬剤価格の決定方式が原因

 この摩訶不思議な現象は、日本での薬剤価格の決定方式に原因がある。日本では医療機関で処方される薬はすべて公定価格。正確には厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会の諮問を受けて厚生労働大臣が決定する。これについてはある一定のルールがあり、新薬の場合は基本的に開発・製造に要した原価をもとにするか、すでに使用されている同じ効果の薬の価格との比較するかで決定される。また、ジェネリック医薬品の場合は原則、同一成分の新薬の70%と定められている。このルールに則れば、ジェネリック医薬品は必ず新薬より安くなる。ところが、薬剤価格の決定には、もう1つのルールがある。
 
 基本的に薬剤は公定価格で医療機関に販売されるはずなのだが、実際には企業間競争などから公定価格より安く販売されているケースがほとんど。このことを踏まえて厚生労働省では新薬、ジェネリック医薬品のいずれも実際の販売価格を調査して2年に1回、販売価格に応じた薬剤公定価格の引き下げを行っている。また、この価格引き下げの際には、当初の想定より市場が大幅に拡大して売上が伸びている薬剤なども、その市場規模拡大と引き換えに薬剤価格が引き下げられることもある。
 
 こうすることは薬剤価格の高止まりを防ぎ、国が公費で負担する薬剤費、患者の自己負担薬剤費を減らすことができるというメリットを生んでいる。そして、この薬価引き下げの価格調査の際に、新薬のほうがジェネリック医薬品よりも実際の市場販売価格が低くなってしまったケース、あるいは逆転現象はなかったが、市場拡大分の価格引き下げを実施し、結果としてジェネリック医薬品のほうが高くなってしまったという現象がたまたま起きてしまうのだ。もっとも「逆転ケース」は、ジェネリック医薬品がある新薬全体の1%に満たないため極めてレアケース。ただし、ジェネリック医薬品のほうが安いものの、新薬との価格差が小さく、患者がメリットを感じにくいケースはそこそこある。
 
 そもそも現在、ジェネリック医薬品がかつてない「市民権」を得ているのは、高齢化社会が進展する中で拡大を続ける薬剤費の国庫負担分を減らしたいという国の思惑があり、ジェネリック医薬品使用が推進されている。このため厚生労働省では2年後の薬価引き下げの際に、これまで新薬の70%と設定されていたジェネリック医薬品の薬剤価格を50%に引き下げる提案をすでに始めている。その意味で、ジェネリック医薬品はより安くなる可能性が高く、こうした逆転現象もそう遠くないうちに解消されるとみてよいだろう。
(文=チーム・ヘルスプレス)

2016年3月21日月曜日

“名医”とは?

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

さて、増え続ける医療費の問題。
ここ何回かに分けて「がん治療」の問題を取り上げてきましたが、悪いのはがんだけではありません。
いい加減、薬に依存した医療は見直すべきです。




ついに40兆円突破、医療費の膨張止まらず

 ついに年間の医療費の総額が40兆円を突破した。厚生労働省が9月3日に発表した2014年度の概算医療費は前の年度に比べて1.8%増加、40.0兆円に達し、過去最高額となった。最高額の更新は12年連続。概算額は正確には39兆9556億円だが、これには労災や自由診療などの医療費は含まれていないため、確定値では年間の医療費が初めて40兆円を突破するのが確実になった。
 相変わらず目立つのが高齢者の医療費増加。医療費全体の36%を占める75歳以上の医療費は2.3%増えた。前の年度の3.7%増に比べると伸び率は鈍化しているが、75歳未満の伸び率(1.5%増)と比べると依然として高い伸びが続いている。
 人口の高齢化に伴って高齢者の医療費が増えるのは仕方ない面もあるが、その金額を知ると驚く。75歳以上の人が前年度に使った医療費は1人当たり平均で93万1000円に達するのだ。75歳未満は21万1000円だから何と4倍以上である。65歳以下の現役世代はさらに少ない医療費しか使っていない。終末医療を含め、高齢者への医療のあり方が問われて久しいが、ひとり当たりで見ても増加が止まらないのだ。
 すでに36%と医療費全体の3分の1以上を占めるようになった75歳以上の医療費がこのまま増え続ければ、健康保険や国の財政を大きく揺るがす。高齢者の医療費は自己負担率が低く、もろに保険収支を直撃するからだ。
 なぜ、医療費の伸びを止めることができないのか。

調剤医療費の伸びが異常に高騰

 「調剤医療費の伸びが異常に高い」--。9月9日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会ではそんな声が挙がったという。確かに調剤費の伸びは2.3%増と、診療費の1.6%増を上回っている。
 実は、医師会からも調剤費を「問題視」する声が強まっている。遂に医師の間からも高齢者への無駄な投薬を反省する声が出始めたのかと思ったら、どうも話が違う。医師会が問題にしているのは院外薬局の調剤技術料が増加している点なのだ。院内で処方する方が技術料を節約できるという主張なのだ。
 周知の通り、かつて薬は院内の薬局で処方されるのが普通だったが、病院がそれを収益源とすることで、医師が患者を薬漬けにしてしまうという批判が高まり、「医薬分業」の徹底が図られた。患者が処方箋を持って病院から独立した院外の薬局に行って薬をもらうようになったのである。
 もちろん、病院前に関係の深い「門前薬局」を置いて形だけ分業にしているところも少なくないという批判もあるが、一方で大手の調剤薬局チェーンなどが勢力を拡大したのも事実。医師会の主張はこうした調剤薬局が儲けすぎているというものなのだ。
 調剤薬局チェーンの杜撰な投薬管理などが表面化するなど、こうした主張にも一理あるとの声がある。一方で、「院内処方に戻して、利権を再び手にしたいだけ」という見方もある。


...まぁ、醜い利権争いですな。
で、結局「何で医療費が増え続けてしまっているのか」といった根本的なところにまで全くいきませんね。

それでこの記事です。





市価の7割で薬を入手!
危険な"名医"の過剰処方を悪用する患者たち


【ビジネスジャーナル初出】(2014年10月)
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まるで富山の置き薬状態の処方薬
 処方薬が次々とOTC医薬品(市販薬)に切り替わっている。今年6月12日からは改正薬事法が施行され、市販薬のうち99・8%がネット販売解禁となり、風邪や軽度の皮膚炎はネット注文の「ポチ」ひとつで完治が可能となった。存在感が薄れつつある地域の開業医だが、肥満をはじめとする生活習慣病患者にとっては「同じ薬を入手するなら、処方薬をもらったほうが圧倒的にコストパフォーマンスがいい」(肥満患者)という。狙った処方薬を出してくれる"名医"の見つけ方を、経験者に聞いた。
 
 医療機器卸会社の営業として病院や開業医を回る40代男性のAさんは仕事柄、医者との付き合いが多い。車で営業しているため運動不足になり、肥満と高血圧を健康診断で指摘された。そこで1年前から"名医"のもとで治療を受けているという。
 
「『脂肪を落とす』とテレビCMで宣伝されている市販薬と同じ成分の薬はもちろん、向精神薬や睡眠薬を欲しいだけ処方してくれる開業医は少なくない。なぜ多くの人がドラッグストアに通い、市販薬を買っているのか」と、コスト面から見て開業医にメリットがあることをAさんは強調する。そこで、Aさんのかかりつけ医院の明細表と市販薬の値段を比較してみた。
 

●保険診療を使えば市販薬の3の1の価格で薬が手に入る

 例えば、Aさんは「脂肪を落とす」「肥満症を改善する」として市販薬でベストセラーになっている漢方薬のエキスを用いた「防風通聖散」を処方されている。市販薬では「ナイシトール」(小林製薬)、「和漢箋(わかんせん)」(ロート製薬)、「ツムラ漢方 防風通聖散」(ツムラ)といった商品名で販売されており、ドラッグストアでは1カ月分が3100~4000円という値段だ。一方、処方薬では1カ月分で196点(1点10円)。調剤料や診察代を入れても健康保険が適用されて3割負担で1250円と、およそ3分の1の値段で同じ成分の薬を入手できる。
 
 Aさんは「その医師は毎回『ドラッグストアだと何千円もするものなんですよ』と言いながら、嬉しそうに処方してくれる」と語り、診療のたびに「ほかにもどこか悪いところはないですか?」と治療をしたがる。そこでAさんは「眠れない」「憂鬱だ」「腰が痛い」などと少しでも該当しそうな症状を訴え、さまざまな処方薬を手に入れて、富山の置き薬のように常備薬として保管しているという。「歌手のASKAの薬物事件の影響もあって、『アンナカ(安息香酸ナトリウムカフェイン)が欲しい』と求めたら断られたが、『もっと効く薬がある』と別の向精神薬を処方された」と述べ、唯一アンナカだけは入手に失敗したようだ。
 
 こうした医師の目的は明かに金儲けだ。仕事柄、開業医の懐具合にも詳しいAさんは特徴を教えてくれた。
(1)看板の標榜診療科が多い...診療科目を手広く見せかけ、多くの患者を受け入れようとしている。
(2)薬を院内処方する...医薬分業が進む中でも、調剤料で儲けようとしている。
(3)待合室が空いている...患者の希望を率直に聞いてくれるので、診察時間が短い。
(4)流行の疾病に手を出したがる...スポーツ障害、睡眠時無呼吸症候群、メニエール症などキャッチーな疾病は金儲けにつながりやすい。
(5)紹介状を書かない...大病院での精密検査が必要でも、患者を手放そうとしない。

 
 保険診療であれば、こうした薬の過剰な処方は明らかに医療費の無駄遣い。褒められた行為ではない上、薬への依存度も過剰になるため、厚生労働省では、複数の薬を処方された患者を対象に、安全に薬を減らす方法を探る臨床試験なども行っている。
 ちなみに、8種類以上の薬の服用による副作用はまったく予測不可能だといわれる。薬が安く手に入っても健康を害し命を落としては本末転倒。それでもあなたは"名医"にすがりますか?
(文=チーム・ヘルスプレス)

なにをもって「名医」とするのか、一度考えた方が良いですね。

2016年3月19日土曜日

医療のタブー・「抗がん剤」

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

さて、本日2つめの記事も抗がん剤についてです。

昨日のブログの冒頭で、「外してはならない第一ボタン」の話をしました。
それにつながる話なのですが、医療者として、施術者として、「自分が行っている治療、施術を、家族や友達など近しい人に対して自信をもって行うことができるか?または、自分自身が受けたいと思うか?」ということは、とても大事なことだと思っています。

例えば、誰かにお店や何か物を薦める時は、どういうところ、どういったものを薦めるのかを考えてみてください。
自分が実際に「良い」と感じた時に、人に勧めると思います。自分は一切「良い」と思っていない、むしろ「ダメだ」と思っているお店やものを薦めるでしょうか?
もし、「ダメだ」と分かっているものやそう思っているものを薦める人がいたら、私は人間を疑います。

ですが、残念ながら現実世界の中で、そういう行為を平気で繰り返している人種がこの世の中には存在します。
それが医者や製薬会社、厚生労働省になります。

「自分では一切使わない」という抗がん剤を、患者さんには薦め、時には「これしか治療法はない」「これでしか治らない」と洗脳し、脅し、選ばせる。
効果がない、治すことはできないと分かっていながらそれを販売する。
分かっていながら認可をする、保険の適用とする。

あなたたちには、この言葉を送ります。
「これがお前ら(医学)のやり方かー!」  byおかずクラブ ゆいP




医療タブー!なぜ“寿命を縮める”

抗がん剤は使われるのか?



「厚生労働省HP」より
 日本人の死因の3割を占めるといわれる「がん」。
 がんの三大治療は、「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線療法」であるが、このうち抗がん剤は、新しい薬剤や有効な投与方法の開発などで、常に医療界を賑わせている。
 「がんになれば、抗がん剤治療を受けるのが当たり前」
 「抗がん剤を使わなければ、早く死んでしまう」
 そんな認識が定着しているなか、国内のある医療法人院長・A氏は、「抗がん剤は寿命を縮めます」と、耳を疑う持論を述べる。
 某有名大学病院で余命3カ月と宣言されたがん患者を、抗がん剤を併用し、ビタミンCの大量投与と食事療法で完治させるなど、独自の治療法により実績を重ねているA氏。今回、そんなA氏に、
 「『糖ゼロ食事』『ビタミンC投与』などの正しいがん治療法」
 「ある日、急にがんが発覚したらどうすればよいか?」
そして、
 「“効かない”抗がん剤を患者に投与し続けざるを得ない、医師・厚労省・製薬会社の“禁断の”タブー
について、語っていただいた。
――抗がん剤が効かないというのは、本当でしょうか?
A氏 単純な話で、副作用が強く、科学的な有効率が低いんですよ。副作用のつらさは耐え難いほどの倦怠感や吐き気、脱毛など、一般によくいわれている通りです。有効率はというと、薬剤を開発する臨床試験の段階で、20%の患者にがんの縮小が認められたとされています。苦しい副作用に耐えても、たった20%の人にしか効果がなく、しかもがん細胞の消滅ではなく、縮小するだけなんです。もちろん、中には抗がん剤が体に合っていて、高い効果を得られる患者もいますが、薬剤一般としてみるとあまりに効果が低い。
――院長が、本格的に抗がん剤を使わない治療を始められたきっかけはなんでしょうか?

A氏 私は以前大きな総合病院の勤務医でしたので、多くの医師が、「抗がん剤は効かないばかりか、強い副作用をもたらす」と思いながらも使い続けている実態を知っていましたし、もちろんそれで苦しむ患者も多く見てきました。また、私は精神科医ですから、どうしても患者の肉体的・精神的負担を少しでも和らげようという方向に、関心がいってしまう。
 加えて、両親をがんで亡くした体験も、大きな要因のひとつです。父の肺がんはステージ3でしたが、転移がなかったので、すぐに死ぬほどではありませんでした。ところが、抗がん剤投与を始めたら、わずか2週間で亡くなったのです。さらにその1カ月後、今度は母の大腸がんが見つかりました。大腸全摘出手術をしたあとは、抗がん剤を使わずに漢方にしました。幸い、兄が薬剤師ですから、がんの症状を和らげる処方をして、医師が予告した余命を越えて、しばらく元気で過ごしていました。最後は結局肺炎で亡くなりましたが、抗がん剤とは明らかに違う予後でした。
 以上のような経験を経て、抗がん剤を使わない治療に取り組むようになりました。
なぜ、“効かない”抗がん剤は使われるのか?
――しかし、これだけ抗がん剤治療が一般化しているのは、なぜでしょうか?
A氏 治療ガイドラインで決まっているからです。ほとんどのがんは、各専門学会が治療ガイドラインを作成しており、例えば「ステージ2でリンパ節転移がなければ、抗がん剤治療。使う薬剤は○○」と定められています。ガイドラインから大きく外れた治療は公的保険が利かなかったり、何か問題が起きたときは、医師個人の責任が問われかねません。訴訟にでもなったら大変ですから、医師はガイドライン通りに抗がん剤を使おうとなるのです。
 しかし、以前UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)ががんの専門医にアンケートをとったところ、約80%が「自分ががんになっても、抗がん剤治療は受けない」と答えていました。実は、抗がん剤が効かないと思っている医師は多いのです。
――抗がん剤がたくさん使われて、喜ぶ人はいるんですか?
A氏 一番喜ぶのは製薬会社です。会社の利益のために、高価な抗がん剤をどんどん使ってほしい。また、厚労省は天下り先として製薬会社が潤っていないと困りますから、抗がん剤を公的保険で認める一方、安価なビタミンCの大量投与という治療は、いまだに保険適用外です。
――がん治療として、院長が行われているビタミンCの大量投与という方法は、専門家の間では、どのような評価なのでしょうか?
A氏 05年に米国厚生省の科学者が、「ビタミンCに、がんを殺す能力がある」と発表しています。それまでは30年にわたって“封印”されていた治療法といっていいでしょう。そもそも高濃度ビタミンCによるがん治療は、76年代に米国の化学者ライナス・ポーリング氏によって編み出されました。彼は、アメリカの科学アカデミー紀要「PNAS」に、「末期進行がんの患者にビタミンCを点滴とサプリメントで投与すると、生存期間が4〜6倍延長した」と発表しています。
 しかし、78年にアメリカのメイヨー医科大学は、ビタミンCにがん患者の延命効果はないと反論します。それが有名医学雑誌に掲載されたため、医学界全体がビタミンC治療に関心を持たなくなってしまった。
封印されたビタミンC治療
――なぜ、ビタミンC治療は米国で封印されてしまったのでしょうか?
A氏 米国の巨大製薬企業も、高価な抗がん剤を大きな収益源にしています。つまり、抗がん剤治療ではなく、安価なビタミンC治療が主流になっては困る。そこでこれらの企業は、資金面でも人脈面でも太いパイプを持っている政府と共に、強く動いたといわれています。また、前出のポーリング氏はノーベル賞を2つもとった天才ですが、原爆反対を訴えていたため、政府につぶされたという声もあります。
――院長の治療で治癒した、患者さんの事例を教えていただけますか?

A氏 ウチはがん専門ではありませんから、2年間でがんの患者さんは5~6人ほどです。そのうちの一人、31歳の女性の患者さんは、新婚2カ月のときに子宮けい頸がんだとわかりました。しかもステージ4で肺に転移があり、かなり進行した状態でした。すでに手術ができる状態ではなく、大学病院では抗がん剤を使っても3~4カ月の余命だと言われました。そこで当院では、高濃度ビタミンCを1日75グラムで週4回投与。途中から100グラムに増量し、並行してノンカーボ栄養療法を開始しました。2カ月後には肺の転移がんはほぼ消滅し、さらに3カ月後には完全に消えていました。彼女は今でもふつうに生活を送り、再発防止のために定期的にビタミンC投与を続けています。
――その大学病院は、患者さんが院長の治療を受けていることは知っていたのですか?
A氏 知っていました。私は患者さんに、「大学病院の担当医に、診断データや画像をもらってきてください」とお願いしました。医師は患者からのそうした依頼を受けた場合、提供しなければならないことになっているのですが、なんとその担当医は、患者のその要求を拒否して、最後まで渡してくれませんでした。
――院長の医療法人で行っている、具体的な治療法について教えてください。
A氏 高濃度ビタミンC大量投与は、点滴でビタミンCの血中濃度を一気に上げる方法。ノンカーボ栄養療法は、糖質をカットした食事療法です。抗がん剤より効き目が高く、副作用がない治療法です。ビタミンCは天然の抗がん剤みたいなものです。本来は抗酸化物質ですが、一定の濃度を超えると過酸化水素(H2O2)を発生するようになります。要は消毒薬と同じ物質で、がんを攻撃する力を持ちます。副作用がないのは、正常細胞に含まれるカタラーゼという酵素がH2O2をH2O(水)とO2(酸素)に分解できるからです。抗がん剤は、分解されずに正常細胞も攻撃するから副作用が発生してしまうのです。
糖を摂らない
――ノンカーボ栄養療法とは、どのようなものでしょうか?
A氏 甘いお菓子果物はもちろん、ごはんやパンなどの穀物、じゃがいもやニンジンなど炭水化物を多く含む根菜類も避けます。日本酒やビール、ワインなど糖質の高いお酒もダメです。代わりに、肉や魚を積極的に食べます。不健康だと心配されるかもしれませんね。でも、筋肉や血液など体の組織のもとはタンパク質や脂質で、糖質はエネルギーにしかなりません。よく脳は糖質しかエネルギーにできないといわれますが、肝臓で糖質をつくることができますから、食事で摂る必要はないのです。
――糖を摂らないことで、がんにどんな作用があるのですか?
A氏 がんが成長する“エサ”は主に糖質で、それを断つことでがんの成長を妨げます。例えば、「PET」(陽電子放射断層撮影法)という検査は、ブドウ糖を原料にした薬剤を注射して放射線を当てると、がんの部分が光って見えます。がんがブドウ糖をよく取り込む性質を利用した方法ですね。
――高価な抗がん剤を使ったほうが、院長の医療法人としては儲かるんじゃないですか?
A氏 もし、抗がん剤ががん治療に有効なのであれば、もちろん抗がん剤を使います。別にビタミンCやノンカーボにこだわっているわけじゃなく、患者さんが治ればなんでもいいんです。ほかにも、免疫力を上げる漢方治療にも力を入れていますし、最近ではビタミンB1の大量投与にがんを治す効果を感じています。
(文=編集部)

がん医療のカラクリ

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

今回は、かなり濃い...というか、多くの医者、製薬会社、厚生労働省にケンカを売る内容になります(笑)。
もっとも、最近では良心的な医者も少しずつ増えてきて、こういった「まともな」主張が世に出てきているな、と感じています。

近藤先生は、もともと放射線医師ということもあり放射線治療を勧めていますが、本文を読めば分かる通り、「治る」とは決して言っていません。
あくまでも手術や抗がん剤と比べれば体に対しての害が少なく、QOL(生活の質)も悪くない、とおっしゃっています。
そこはお間違えの無いように。
私個人的には、放射線治療もできれば受けない方が良いと思っています。

それにしても、本文中にもありますが、原発事故で問題になった被爆量とCT検査での被爆量がほとんど変わらない、というのは驚きですよね。
よく福島などで「原発反対!」とプラカード持って叫んでいる方々が多くいらっしゃいますが、この方々はCT検査はもちろん受けていらっしゃらないですよね?
もし受けてる方がいらっしゃいましたら...すべらない話に認定させていただきます(笑)。

あ、もちろん純粋に心配して...という方に対して申し上げたわけじゃありませんよ。




がん医療のタブー…効かない抗がん剤、

寿命を縮める手術が横行するカラクリ

『どうせ死ぬなら「がん」がいい』
(宝島社新書/近藤誠・中村仁一)
 現在、日本人の死因1位であるがん。がん治療といえば、抗がん剤や外科手術が頭に浮かぶが、慶應義塾大学医学部講師で、昨年10月に『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(宝島社新書/中村仁一共著)を上梓した近藤誠氏によると、こうした治療は寿命を縮めるだけではなく、多くの苦痛をもたらすという。
 そんな近藤氏に、
「がん患者は、がんではなく“がん治療”で苦しむ」
「がんの9割に抗がん剤は無意味」
「がんの外科手術をしないほうが寿命が伸びる」

「なぜ病院・医者は、無意味だと知っていても、抗がん剤投与や手術をするのか?」
「人間ドックやがん検診で寿命が縮まる?」

などについて聞いた。
ーー本書は『どうせ死ぬなら「がん」がいい』と、かなり挑発的なタイトルですが、なぜ、死ぬならがんがいいのでしょうか?
近藤誠氏(以下、近藤) がんは、ほとんどの場合、最後まで患者の意識はしっかりしていますし、普通の生活を送れます。また、何より周りにかける迷惑の度合いが他の病気と比べて低いので、家族などに惜しまれながら死んでいくことができます。
日本人の死因でがんの次に多い心筋梗塞や脳卒中では、なかなかそうはいかない。例えば、脳卒中の場合などは半身不随になって、何年も寝たきりになる人も多いですね。そういう介護生活になると、本人も大変ですが、周りにも迷惑をかけてしまいます。
ーーしかし、「がんは痛い」というイメージがあります。
近藤 皆さんがそういうイメージを持たれているのは、抑えきれないほどの強烈な痛みや苦しみを伴い、のたうち回って死ぬと思われているからでしょう。そういう痛みや苦しみは治療から来るものであって、世間で思われているほどがんは痛くはありません。つまり、患者は手術で痛み、抗がん剤で苦しむわけです。そういう治療の痛みを、がんの痛みだと思ってしまうわけです。
痛いのは治療するからですよ。
そして不必要な手術をしたり、抗がん剤治療をするから、苦しい死、悲惨な死になってしまうのです。
 病院経営という面から見ると、がんの治療というのはすごく大きな割合を占めています。
がんが怖いから病院に来たり、人間ドックを受けたりするわけですよね。
でも、医者が「外科手術はほとんど無意味だから、放射線治療でいい」とか、「抗がん剤は効かない」「がん検診や人間ドックは受ける必要がない」というようなことを言い始めたら誰も病院に来なくなり、治療の数も減って、つぶれる病院がたくさん出てしまいます。だから、医者はそういうことを知っていても誰も言わないわけです。
 それから、痛みという意味では、治療を受けて当面延命できた場合には、どこかに転移している病巣が育つ時間を与えるということです。
つまり、「骨に転移が出て痛い」「脳に転移して麻痺が出た」というようなことにつながるわけです。これも、やはり治療したがゆえの痛みであり、苦しみです。
ーー外科手術でがんを切り取らないほうが、長生きできるのですか?
近藤 胃がんで外科手術というのは、間違っていると思います。とにかく食事がとれていれば胃がんでは死にません。
でも、歴史的に外科医が治療に当たってきましたから、「がんというと外科手術」という風潮がまだ残っているわけです。そして、それを疑わない人が多い。
固形がんの治療は、痛みが現れたときに、それを抑えたり、QOL(Quality of life:生活の質)を維持するために緩和的な治療をすればいいと思います。
ーーそれは若い人にも言えることですか?
近藤 若い人こそ先が長いのですから、QOLが高い治療を選ばないといけませんね。
「まだ若いのだから、徹底的にやりましょう」と言う医者がいますが、これは罠です。徹底的にやると、臓器を全部摘出されてしまいますよ。気をつけてください。

●固形がんに抗がん剤は効かない?

ーー「がんには、抗がん剤を使うのが当たり前」と思っている人が多いと思います。
近藤 間違えないようにしないといけないのは、がんには血液がんと固形がんの2種類あって、固形がんというのは、胃がん、肺がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんのような塊をつくるがんです。このような日本人がよくかかるがんには、抗がん剤は効かない。
でも急性白血病や悪性リンパ腫のような血液がんには効果があります。先日亡くなられた市川団十郎さんが急性前骨髄球性白血病と診断されたのは、2004年でしたね。昔ならだいたい、半年くらいで亡くなられていたと思います。
団十郎さんの場合も治ったわけではなくて、延命効果ですけれども、それにしてもやはり10年近くも長生きできたというのは、抗がん剤の効果もあったと考えなければいけない。
ーー本の中で、9割の人はがんという病気そのものではなく、治療に苦しめられているとも書かれていますね。
近藤 寿命を縮めるがん治療というのはすごく多いのです。中村勘三郎さんの場合が典型的ですね。
勘三郎さんの場合には人間ドックでがんが見つかったわけですが、それまではなんの自覚症状もなかったと聞きます。いずれは食べ物などがのどを通りにくいというような自覚症状が出たと思いますが、治療をせずに放置しておけばあと2~3年は生きられたでしょう。もちろん4月の新歌舞伎座のこけら落としにも出演できました。
がん検診を受けてがんが見つかると治療に走ってしまう、これは多くの人が陥りやすい間違いなのです。自覚症状が出てから医者にかかれば十分です。
ーーがんと診断されたら、どのように治療すればいいのでしょうか?
近藤 早期発見努力をせずに、例えば肺がんであれば少し呼吸が苦しいとか、食道がんや胃がんは食べ物が通らないとか、そのような自覚症状が出てがんが見つかった場合は、それは「がんもどき」ではなく、本物のがんですね。それに対しては体が一番楽な治療、つまり外科手術は避け、臓器を残す非手術的な治療を選ぶことです。
 選択の道は2つあります。例えば食道がんだと、1つは食べられなくなっても完全放置することです。そうすると、最後には水も飲めなくなって餓死することになります。健康な人が食べたいのに食べられないというのは悲惨ですが、体が衰弱して食べようと思っても無理というときには心理的な飢餓感は少なくなるようです。この道を選ぶのはなかなか難しいのですが、体は楽なまま死ねます。
 もう1つの道は、放射線治療を選択する道です。食事をすることができるようにもなりますし、長生きできる。それに臓器を残すわけですから、QOL、生活の質の面でもいいですね。12時間もかかる開胸・開腹手術をしなくても済みます。しかも、比較試験の結果を見れば外科手術より放射線治療の方が成績がいい、治療で死ぬ人が少ないというのははっきりしているのです。比較試験というのは、外科手術を受けたグループと放射線治療を受けたグループの2つに分けて、それぞれを5年後の生存率などいろいろな観点から比較するものですが、試験結果は論文などで公表されていますから、外科医も当然知っているはずですよ。

●病院・製薬会社・厚労省のタブー

ーーそうした事実を知りながらも、なぜ病院はがん患者に対し、抗がん剤投与や外科手術を行うのですか?
近藤 まず病院側は、先ほども申し上げた通り病院経営の大きな部分をがん検診や抗がん剤投与、外科手術をはじめとするがん治療が占めている。
外科医は、手術をしなければ自分のよって立つものがなくなってしまう。
製薬会社にとっても、抗がん剤は大きな収益をもたらせる。
そして、厚生労働省はこうした現状を是認しているし、基本的には病院、製薬会社寄りの立場です。つまり、外科手術や抗がん剤を否定することは、病院・製薬会社・厚労省にとってタブーともいえます。
ーーそのタブーを侵した近藤さんに対し、圧力がかかったりすることはないのでしょうか?
近藤 20年ほど前、月刊誌「文藝春秋」(文藝春秋)に『がん検診・百害あって一利なし』を載せた際は、病院の上層部から呼び出されて「謝罪しろ」と言われたりしました。また、今でも肩書は講師のままで、出世させないなどという程度の措置は受けていますが、それ以上の圧力をどこからか受けたりするようなことはありません。また、私の主張は論文やデータに基づいていますので、正面切って反論してくる人もいません。
ーー外科医の方々は、実際に自身や家族ががんになっても、手術をするのですか?
近藤 普段がん患者の手術を行っている外科医でも、自分や母親ががんになると、手術ではなく放射線治療にするケースは多いですよ。

●がん検査で発がん率上昇?

ーーCTスキャンなどを使った検査が原因の発がん死亡率は、日本が世界一だと書かれていますね。
近藤 これほど国民に被曝させている国はないですね。
原発事故での被曝量が問題になったときに、特攻隊の隊長さんが27ミリシーベルトの放射線を浴びて問題になりました。ですが、CT検査を受けると普通は20〜30ミリシーベルト程度は被曝しますし、多い人だと50〜100ミリシーベルトの人もいます。
CT検査を受けたことで、5~10%くらいは発がんしている可能性があります。
10年以上前にイギリスで出された報告では、すでに日本人のがん死亡の3%くらいは放射線によるものだと推定されました。
ーーがんを予防するには、どのようにすればよいのでしょうか?
近藤 喫煙者は禁煙することです。それから規則正しい生活を送り、適量のバランスがとれた食事をとるのが一番だと思いますね。太りすぎもよくないし、痩せすぎもよくない。メタボと騒がれていますが、ちょっとくらいメタボでも、それほど寿命が短いわけではありません。それから、「長生きしたければ、肉を食べるな」と言う人もいますが、そういうことをしたら逆に寿命を短くしてしまいます。肉ではないにしても、魚や卵など、良質のタンパク質は必要です。
 人間は、何万年、何十万年にわたって、炭水化物、野菜、あるいは動物性タンパク質を食べて生きてきました。そして、それに適応して今の体があるわけです。
ある特定の食べ物を長く断つと、体にゆがみやきしみを生じることがありますね。
ーー一般にがん予防というと、がん検診や人間ドックが頭に浮かびます。
近藤 がんの中には、大きくならず、あるいは放っておくと消えてしまうものがあります。こういうものを「がんもどき」と言っているのですが、痛い、苦しいなど日常生活で不便を感じる症状がなく、検査や人間ドックなどで見つかるがんは、ほとんど「がんもどき」です。
つまり、がん検診や人間ドックなどの早期発見努力をしてがんを無理やり見つけ出すから、放っておけば消えてしまうがんもどきのために臓器を失って苦しむことになるわけです。
 死ぬまで気づかずに共存共生できるがんというのは、たくさんあります。
50歳以上の男性では、50%以上の人が前立腺がんを持っていますが、普通は気づきませんね。前立腺がんが原因で亡くなる男性は1%しかいない。
胃がんでも大腸がんでも、同じような傾向があります。
ーーしかし、会社員は年1回の健康診断を受けなければなりません
近藤 私は、定期的に健康診断を受けさせるのは人権侵害だと思っているのです。健康診断を義務づけている国は日本以外にありません。
でも、そういうことを主張して会社と闘うのは難しいでしょうから、健康診断を受ける際には、がんが発見されそうなものはなるべくやめる。身長、体重、視力を測って、それで済めばそれだけにしておくのが一番ですね。採血検査、それから胃のレントゲンや胸部レントゲンとか、とにかくがんが発見されそうなものはなるべく省く。そうすると、はるかに長生きできますよ。
(構成=編集部)