2016年1月26日火曜日

リスクだらけの市販薬

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

日曜日に参加した新年パーティーで、薬を使わず予防などに力を入れて様々な活動をされているという薬剤師さんと出会いました。
やはり志が同じ人は惹かれ合うものなのですかね。
私も彼の様に「薬のない世界」の実現に向け、活動してきたいと思います。

ということで、今回も薬に関する記事になります。



過去5年間に副作用で24名が死亡

安易に「市販薬」を服用してはいけない

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ドラッグストアや薬局で気軽に買える「市販薬」にも副作用はあるRadu Bercan / Shutterstock.com
 薬には、医師の処方箋が必要な「処方薬」と、ドラッグストアや薬局で気軽に買える「市販薬」の2種類がある。
 処方薬は、医師が一人ひとりの患者の症状に合わせて、薬の量や種類を調節するものだ。医師の指示に沿って服用することが求められ、自分の勝手な判断で量や期間の変更をしてはならない。また、ほとんどの処方薬には医療保険が適用されている。
 一方の市販薬は、OTC(Over the Counter)医薬品とも呼ばれ、自分の判断で購入することができる。その購入費用は全額自己負担。市販薬は処方薬よりも効果が弱いと言われているため、「市販薬には副作用がほとんどない」と勘違いされやすい。
 風邪をひいて病院に行くと、熱や咳、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みなど、それぞれの症状にピンポイントに作用する薬が数種類処方される。市販薬の場合、症状別の薬もあるが、ほとんどが上記の症状を抑制する成分が少しずつ配合されている総合感冒薬だ。これを服用することは、自分の症状とは関係ない成分も体内に入れることになる。
 薬はその毒性の強さによって、弱い方から、普通薬、劇薬、毒薬という3つの種類に分類される。普通薬は比較的安全域(有効量と致死量の開き)が広く、市販もされているが、市販されていない劇薬と毒薬は、少量でも効果が強く現れることから、用量に対してより慎重な取り扱いが必要だ。ただ、普通薬であっても、用法・用量を間違えれば死に至ることもある。
 数年前に鎮痛剤であるロキソニンがOTC化されたが、それ以前は劇薬に分類されていた。現在この薬は普通薬になっているが、分類が変わっただけで、実際その成分は何も変わっていない。

「沈黙の臓器」がダメージを受ける

 前述したように、一般的に処方薬のほうが市販薬より作用が強く出るといわれている。たいてい市販薬に含まれる有効成分のほうが弱いからだ。しかし、具合が悪くなったからといって、安易に市販薬を服用することは避けたほうがよい。
 
 2012年8月に発表された厚生労働省による市販薬の副作用に関する報告では、過去5年間で副作用が発現した症例は1220件、死亡はそのうち24名、重症患者は15名だった。死亡者の半数の12名は総合感冒薬(風邪薬)に起因する肝機能障害や肺炎、中毒性表皮壊死融解症などを起こしていた。ただ、起こった副作用すべてが報告されるとは限らないため、実際にはそれ以上の件数があると考えられるだろう。 
 副作用のひとつに肝機能障害があるが、肝臓には外部から吸収される食物や薬をすべて処理するという役割があり、薬による影響を真っ先に受けてしまう。また「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、ダメージを受けてもなかなか症状が現れないため、ほとんどの場合、自覚症状が出たときにはすでに遅く、治療の手立てがなくなっている。
 市販薬は容易に入手できるため、具合が悪くなるとあまり深く考えずに飲んでしまう人も多い。ある男性は、週が始まる月曜日になると腹痛が起こり、20年もの間、正露丸を常用していた。1回3錠を1日3回(月4回)とすると、合計8640錠飲んできたことになり、当然、肝臓への影響が懸念される。このように胃腸薬、あるいは頭痛薬を定期的に服用していると、処理できなかった成分が蓄積していく可能性もある。
 たとえ市販薬であっても、症状を軽減する代償として肝臓などの臓器に負担をかけ、ダメージを与えるおそれがあり、場合によってはその服用が死因にもなることを心に留めておいてほしい。

2016年1月25日月曜日

薬漬けの日本人

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

昨日は1年に1回、毎年この時期に開催されている新年パーティーに参加してきました。
いつもスーツで参加していたのですが、今年は着物に袴(^^♪
会場は舞浜にある「クラブリゾートホテル」。舞浜駅からディズニーリゾートラインで行くのですが、ディズニーグッズを身にまとった若い子たちで溢れる中、着物姿の坊主が一人...周りから見たら、なかなかにシュールな画だったかもしれませんね(笑)。

と、いうことで今回も薬の記事になります。



薬4剤併用で命の危険

異常な薬漬けの日本人、副作用死は年10万人以上?



「Thinkstock」より
 私たちが病院に行って身体の不調を訴えれば、医師から処方箋をもらって、調剤薬局で薬を買うことができます。また、街中にはドラッグストアや薬局が数多くあり、さまざまな薬を簡単に手に入れることができます。いずれも、身体の不調を改善したい、症状を止めたいと薬の作用を期待して購入します。
 しかし、薬には必ずプラス(効果)とマイナス(副作用=毒性)があって、マイナスの方が大きく出てしまうケースが多くあります。重篤な副作用が出た場合は死に至ります。
 欧米では副作用死に関する調査研究も行われており、米国では年間推計10万6000人が副作用で死亡(全米医師会報、トロント大学のチームの研究報告)と具体的な数まで出ています。
 世界一、薬を飲むのが好きな国なのに、残念ながら日本ではこのような「副作用死」に関する調査研究はなされていませんが、日本での副作用死はアメリカよりずっと多いと考えられます。その最大の理由は欧米では「1剤処方」が基本、多くても2剤であるのに対し、日本では5剤以上の処方が当たり前になっているからです。筆者が確認しているケースでは、あちこちの医療機関で受診し、84剤を処方されていた人もいました。
 特に、窓口の自己負担率が1割である75歳以上の高齢者には10剤以上を処方することもよくあります。体力が低下し、本来選択的に薬を処方しないといけない年代の方たちが目を覆いたくなるような“薬漬け”にされているのです。その結果、多くのおじいちゃん、おばあちゃんが命を落としていることは、容易に察しがつきます。

4剤以上の併用は危険

 アメリカの医師が若いドクター向けに書いた名著『ドクターズルール425 医師の心得集』(クリフトン・K・ミーダー編、福井次矢訳/南江堂)には、医師が持つべき「薬に関する心得」として次のような提言が出てきます。
(1)4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある。
(2)薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す。
(3)処方を中止しても、患者の状態が悪くなるような薬はほとんどない。
(4)可能ならば、薬の処方を全部やめる。それができないなら、できるだけ薬を出さないようにする。
(5)効いているのか疑問に思った薬は、たぶん効かない薬だ。
(6)「患者は処方通りに薬を飲まない」
 この中で特に興味深いのは(1)で、最初に「4剤以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にある」と断定していることです。
 もしそうだとしたら、いったいどれだけの日本人が「医学の知識が及ばない状態」にあるのでしょうか。4剤以上服用している日本人は、5~6人に1人はいるといわれているので、2000~2500万人が医学の知識の及ばない状態、言い換えれば、いつ副作用してもおかしくない状態にあるのです。
(2)の「薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す」ということも、肝に銘じておくべきことです。現在の日本では、10剤以上の併用も珍しいことではなくなっているからです。
 いまだかつて、10種類以上の薬を20年以上も飲み続けるとどうなるのかという実験が行われたことはありません。そのため、どんなことになるかわからないまま、壮大なスケールで国民の薬漬けが進行しているのが日本の現状なのです。

無駄な薬が流通している現状

 病気を治すのは、あくまでも本人の免疫力や自己修復機能であって、薬ではありません。薬は「症状を緩和する」役割を果たしている脇役にすぎません。つらい症状が出た場合に薬を飲むと楽になるので、病気を治しているように勘違いしがちなのです。
(6)の「患者さんは処方通りに薬を飲まない」という指摘は、米国よりも日本の患者に当てはまることだと思います。日本では、70歳未満は3割負担、70歳以上75歳未満は所得により2割または3割負担ですが、75歳からは1割負担となりますから、高齢者にとって抗がん剤など、一部の薬価の高い薬以外は、「高い」という意識があまり芽生えません。
 そのため医師も平気で5~6種類の薬を処方し、患者も無駄な処方が多いと思っても、医師と良好な関係を保つために、異議を唱えたりせず、薬局で全部処方通りに購入して、家で必要なだけ飲むというケースが多いのではないでしょうか。
 また医療費が無料の小児についても、親は“とりあえず”薬をもらっておいて、症状が治まったら余りは冷蔵庫などで保管し、年末の大掃除の際に飲まなかった薬を多量に破棄するというケースもよくあるでしょう。
 製薬業界が昨年、処方されても飲まずに捨てられる薬(残薬)は400億円分に達するという試算を発表しましたが、処方薬の市場規模は約10兆円ですから、飲まずに捨てられる薬は金額ベースで約0.4%しかないことになります。
 しかし、控えめに見ても、金額ベースで2~3割が無駄になっているように思えます。残薬の背景には、長期投薬による大量処方があることは間違いありません。薬局薬剤師の指導料の算定要件にも「残薬確認」が入っています。無駄を省くためにも、現場の薬剤師たちにもっと力を発揮してもらいたいものです。
 いずれにしろ、医療費の抑制が国家的な課題になっている今、大掛かりで公正な調査が必要な時期に来ていると思います。公正な調査をするのであれば、厚労省には、製薬業界や、製薬業界と二人三脚の学会に丸投げするようなことはせず、関連の業界や学会を排除した、第三者による調査を期待しています。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

2016年1月23日土曜日

“薬が病気を作っている”現実

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

本日は風邪薬シリーズから発展して薬全般的なお話です。
薬自体、基本的に製薬会社や医師たちの金儲けの手段になっており不要なものが多いわけですが、その中でも特にひどいのが精神薬です。
抗うつ薬の副作用がうつ症状って、何のために飲まされるのか?意味が分かりません。
怒りを通り越して呆れ返ってしまいます。



薬が病気を作る?薬剤師が教える薬の危険

抗うつ剤を飲むとうつ症状に、自殺や他害行為も



「Thinkstock」より
「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/9月13日号)は『飲む前に知る! クスリの裏側』という特集を組んでいる。「普段何げなく服用している薬は本当に必要なのだろうか。安全なのだろうか。相次ぐ不祥事で製薬業界の信頼が揺らぐ中、本当に必要な知識を身に付けたい」という内容だ。
 2014年4月に日本人間ドック学会などが発表した新たな「基準値」(「新たな健診の基本検査の基準範囲」)は、正常とされる血圧の数値は「上の値は129まで、下の値は84まで」だったのものを「上の値は147まで、下の値は94まで」とするなど、大きく緩和されたものとなった。この背景には、薬剤費を抑えたい政府の意向があったのではないかと業界関係者は見ている。
 世界第2位のノバルティスファーマ、国内最大手の武田薬品製薬会社による臨床研究の不正や疑惑が次々と噴出する中、医師も製薬会社のもくろみに加担し、持ちつ持たれつの関係であることが明らかになり、業界の信頼は失墜している。
「業界全体として、悪事を働いているという認識が薄かった。明らかになっていない不正が他にもあるはず」と大手製薬幹部(特集記事より)
高血圧は薬で下げるな」「薬剤師は薬を飲まない」などといった、薬や医療の不必要性を論じる本が売れているという。普段、何げなく飲んでいた薬に、多くの人が疑わしい気持ちを抱き始めている現状を表している。

●薬が病気を作る

 今回知っておきたいのは、特集記事『「薬が病気を作る」は本当だった!』だ。薬漬けの医療に疑問を感じ、13年12月に『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)を上梓した薬剤師・宇多川久美子氏による記事だ。
 病院は、病気と診察すれば薬を出そうとする。それが、単なる風邪であってもだ。
「よくあるのは、医師による“3分診療”の後、抗生剤、せき止め、鼻炎、解熱剤……と4~5種類の薬を出されるパターンだ。(略)せき、鼻水、熱といった症状を速やかに抑えるのに薬は効果的だ。しかし、薬はあくまで対症的に鼻水を止め、せきを止め、熱を下げるだけだ。(略)風邪薬は、症状を生んでいる原因を撃退してはくれない。風邪に伴う症状は、ウイルスと闘い排除しようとしている自らの免疫反応。(略)となると、風邪をひいたときにすべきことは、安易に薬を飲んで症状を抑えることではない。ウイルスという敵と闘っている体をフルサポートすることだ」(同記事より)
 つまり、一般的な風邪の際には薬ではなく、「体を冷やさないようにして早めに寝て、十分な睡眠」を取ることが重要なのだ。これからの季節、注意したい。
 なお、インフルエンザも高熱が出るのは、「それだけ体温を上げることで免疫力を活性化しているから」で、「インフルエンザは自然治癒する感染症である」というのが世界の常識だという。
病気はその原因により、2種類に分けることができる。(1)インフルエンザのようにウイルスや細菌などが原因の伝染病・感染症や、急性の症状の病気。(2)糖尿病や高血圧、高脂血症などのように生活習慣の乱れや加齢が原因となっている慢性的な病気。私たちはこれらのどちらも『病気』という同じ概念でとらえ、病気になったら薬を飲んで治してしまおう、と考えがちだ。しかし(1)と(2)は薬の果たす役割に大きな違いがある」(同記事より)
(1)の急性症状に対する薬は感染を止め、症状を一時的に抑えるもので、完治した時点でその薬がいらなくなるという特徴がある。一方で、(2)の慢性的な病気に対しては体に現れている症状を抑えるだけの効果しかない。これらの病気の多くが病気を生じさせる習慣を積み重ねてきた原因は患者そのものにあり、本当の意味で治療するには、「病気の原因である生活習慣を改める以外に道はない」のだ。

●薬剤師を活用して生活習慣の見直しを

 しかし、生活習慣病の患者が今飲んでいる薬を専門家の相談なしに突然やめてしまうことは危険だ。この場合、薬剤師を活用するのがいいという。
「薬剤師は、薬学的疑問を抱いたり患者から申し出があった場合、医師に処方箋の内容を問い合わせる『疑義照会』をすることができる。(略)(13年度の調査では)疑義照会により、年間82億円もの薬剤費が削減されたという」(同記事より)
 さらに、「薬のほとんどは合成物であり、体にとっては『異物』。(略)主作用の陰で、体に別の作用がもたらされている」(同)、つまり多かれ少なかれ副作用があることも知らねばならない。
 例えば、抗うつ剤。抗うつ剤の副作用は「うつ症状」なのだという。
「現在、抗うつ剤の主流はSSRIやSNRIといった薬で、脳内で不足しがちになるとされるセロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、脳内にたまりやすくする。セロトニンは安らぎや幸福感を、ノルアドレナリンはやる気や自信を与える神経伝達物質だ。
 ところが、これらの抗うつ剤の一番の副作用は『うつ症状』なのだ。薬の添付文書には自殺願望が高まることがある」といった注釈がついている。人に暴力を振るうなど、他害行為を招く作用があることもわかってきている」(同記事より)
 抗うつ剤の副作用でうつ症状を生むとは……本末転倒もいいところだ。
 病気に対しては薬よりも生活習慣を見直し、自然治癒するのが基本であることを再認識させられた。健康もカネで買えると思っているフシがある日本人にとっては、考えさせられる特集だ。
(文=松井克明/CFP)


2016年1月22日金曜日

“風邪薬は不要”論④

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

本日も風邪薬シリーズです。



市販の風邪薬の副作用で死亡も?!

消費者庁が「副作用に注意」と呼びかけ

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市販の薬を飲んで死にたくない! shutterstock.com
 風邪気味だけど、仕事が休めない、医者にかかる時間がない----。そんなときに、家の救急箱にある風邪薬を飲むのは、誰もがごく普通にしていることだろう。
 風邪薬などの市販薬はドラッグストアでごく簡単に買うことができる。昨年(2014)年には薬事法の一部が改正され、ほとんどの市販薬がインターネットでも入手できるようになり、より身近に利用できるものになった。
 しかし「簡単に入手できる」=「強い作用はないから安全」ではない。先日の4月8日、消費者庁の発表によれば、2009〜2013年度の5年間で市販薬による副作用が合計1225例に上った。そのうち、死亡と後遺症が残った症例がそれぞれ15例ずつ報告されているという。
 今回のデータは、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に報告された事例に基づいたもの。同庁は「初期症状が出たら、重くなるまえにすぐ医師や薬剤師に相談してほしい」と呼びかけているが、消費者庁がこうした注意喚起をするのは初めてのことだ。

総合感冒薬による死亡が半数以上

 副作用の症例数が最も多かったのは総合感冒薬、つまり風邪薬で、400例に達した。次に解熱鎮痛消炎剤が279例、漢方製剤が134例と続く。症例数1位の総合感冒薬は死亡数も最も多く8例にのぼり、9例に後遺症が残った。ほかにも解熱鎮痛消炎剤で3例、漢方製剤で1例、鎮咳去たん剤で2例、その他の市販薬で1例の死亡例がある。
 死亡や後遺症が残った症例の主な副作用は、「スティーブンス・ジョンソン症候群」「中毒性表皮壊死融解症」「肝障害」「間質性肺疾患」「腎障害」などだ。
 特に重篤になりやすい「スティーブンス・ジョンソン症候群」は、薬剤に対する免疫反応の異常が引き金となるもので、どんな薬を飲んでも起きる可能性があるという。初期症状は高熱や、目の充血、粘膜の異常、皮膚の異常など。服用後2週間以内に発症する場合が多く、重くなると全身が火傷のような状態になり、死に至ることもある。この他にも、市販薬によって倦怠感や吐き気、かゆみ、咳などさまざまな副作用の初期症状がある。

「使用上の注意」に危険は明記されている

 この中には定められた用法や用量どおりに服用したにもかかわらず、深刻な症状が現れたケースも多い。さらには健康体でアレルギー疾患などがない場合や、過去に飲んだことがあり問題がなかった薬であっても、突然重い副作用を引き起こすこともあり、非常にやっかいだ。
 一般用医薬品の副作用症状についてはまだ多くの人に知られておらず、副作用の発見が遅くなる恐れがある。実際、市販薬についている「使用上の注意」を熟読してみると、かなり重篤な症状も想定されている。しかしほとんど読まないか、読んでも気にかけないまま薬を服用している人も多いだろう。
 私たちが薬を飲み続ける限り、副作用に対する決定的な自衛方法はない。だが、多少具合が悪いからといって、安易に市販薬を飲むような習慣を改めれば、リスクを限りなく下げることはできるだろう。たとえば風邪などは十分な休養と栄養でしか治らない。総合感冒薬は単に症状を和らげるだけだ。
 そして服用後に少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、すぐ医師や薬剤師に相談すること。医療に関する規制が緩和されていくほど、薬を使う側が自発的に安全に対する意識を高めなければいけないということなのだろう。
(文=編集部)


2016年1月21日木曜日

“風邪薬は不要”論③

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

本日も風邪薬シリーズになります。



風邪薬が症状を悪化させる!? 

薬剤師が指摘する、気を付けたい危険な“飲み合わせ”

※画像:『なぜ、あなたの薬は効かないのか?薬剤師しか知らない薬の真実』著:深井良祐/光文社
 まだまだ寒い日のつづく季節、学校やオフィス、また家庭内で風邪が流行る時期です。
 風邪をひいてしまった時、私たちのほとんどは「を飲んで早く寝よう」と考えますが、薬そのものの性質を知らずに「風邪をひいたらとりあえず薬」と安易に考えていると、かえって体調を悪化させてしまうこともあるようです。
 『なぜ、あなたの薬は効かないのか?薬剤師しか知らない薬の真実』(光文社/刊)の著者で薬剤師の深井良祐さんは、風邪をひいた時によく服用する薬について、こんなリスクを指摘しています。

■風邪に抗生物質は効果ナシ?

 風邪をひいた時は抗生物質を飲んでおけばすぐに治ると思っている人は多いかもしれません。しかし、深井さんは「抗生物質を服用しても、風邪の症状は良くならならない」と言います。というのも、抗生物質は細菌に対して作用するものの、ほとんどの風邪の原因となっているウイルスには効果がないのです。
 風邪をこじらせて肺炎を併発するのを防ぐという意味では意味のある抗生物質ですが、単に症状を抑える目的で頼ると、かえって風邪を長引かせてしまう恐れがあります。

■知らないと危ない! 「薬の飲み合わせ」

 熱を下げる目的で利用される風邪薬にも問題点があります。
 例えば、私たちの体の中には、「プロスタグランジン」という「痛み物質」があります。
 「痛み物質」という名の通り、プロスタグランジンには、「痛みを強める」作用があるのですが、実は脳にはたらきかけることで「体温を上昇させる」という作用も。
 これは裏返すと、「解熱剤」と「鎮痛剤」のどちらを飲んでもプロスタグランジンが抑えられるということ。まったく同じ成分が含まれる薬であっても、ある時は痛み止めとして使用され、またある時は熱を下げる目的で使われているのです。これを知らずに「解熱剤」と「鎮痛剤」を併用してしまうと、同じ成分を通常の倍摂取してしまうことになり、胃腸障害などの副作用が表れやすくなるといいます。
 またプロスタグランジンの働きを抑える種類の解熱剤をインフルエンザに罹った15歳未満の小児に使用すると、痙攣や意識障害などの脳症を引き起こす可能性が高まるため、この年代の子どもの発熱にはアセトアミノフェンを使用すべきだということも知っておくべきでしょう。
 本書には薬のメカニズムや危険な副作用など、その便利さと怖さが詳しく解説されています。
 今回名前が出た解熱剤、鎮痛剤、抗生物質など、よく使う薬だからこそしっかりとした知識を身につけておきたいものですね。
(新刊JP編集部)

2016年1月19日火曜日

“風邪薬は不要”論②

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

昨日は関東で夜中から明け方にかけて大雪でした。私もさすがに歩くのはしんどいなと思い電車を使ったのですが(とはいえ、自宅から駅まで25分ほど歩かなければならないのですが...笑)、遅れている上、超満員。もみくちゃにされながら到着しました。まぁ、予想はしていましたが(^^;

やはり都心の交通網は雪に弱いですね。北海道出身の患者さんの話では、北海道の電車はそんな簡単には止まらなかったそうです。何が違うのでしょうか?設備の問題?
いづれにしても、毎回毎回雪の度に止まったり遅れたりでは乗客はもちろん駅員さんもストレスですよね。何か対策をした方が良いと思いますが、いかがでしょうか?

とはいえ、相手は自然です。乗客のみなさんも、駅員さんに文句を言ったり怒鳴ったりしたところで電車が動くわけではありませんし、何か状況が変わるわけではありません。そもそも、雪が降ったら電車が止まるなんて、誰だって予想できることです。それを怒ったり文句を言うって...どうかしてるぜ!(ブラックマヨネーズ吉田風に言うと)
イライラしたって空気が悪くなるだけですので、やめましょう。もっとおおらかにいきましょうね(^^)/

それでは、本日の記事です。薬剤師さんが語るところにとても説得力があります。



風邪薬は飲んではいけない!海外では常識

恐怖の薬漬けスパイラルの入り口



「Thinkstock」より
 5月21日付当サイト記事『薬4剤併用で命の危険 異常な薬漬けの日本人、副作用死は年10万人以上?』において、多剤併用の弊害について書かせていただきましたが、日本において最も無意味であり多剤併用されているのは、風邪薬ではないでしょうか。
 今でも10剤処方が当たり前になっている高齢者が風邪の症状を訴えれば、そこにさらに5~6種類の風邪薬が追加されます。さらに薬の数が増えることになれば、そのリスクは計り知れません。
 多くの人は「薬の需要」は「病気になった人の数」で決まると思っていらっしゃるでしょうが、実態は違います。薬の需要は、製薬業界と医師たちの学会によって作られているのです。
 彼らが最も得意とするのは、勝手にストライクゾーンを拡大して、健常者に病人のレッテルを貼ることです。もし野球の世界で、ある日突然、肩の高さから足首までがストライクゾーンだと決められたら、バッターたちの暴動に発展しかねません。
 しかし、医療の世界では、患者側に確かな知識がないのをいいことに、製薬会社と表裏一体の関係にある学会が提唱すれば、それがまかり通ってしまいます。
 薬を選別する際は、まず自分が本物の病人か、ストライクゾーンを勝手に広げられて病人にされた健常者なのかを知る必要があります。それを考えることは、医療側のペースで薬漬けにされている現状を見直し「一病息災」を実現するきっかけになるのではないでしょうか。
 それを実現する上で不可欠なのが、自分の免疫力で治せる軽い病気は、薬に頼らないで治そうという姿勢です。「風邪は寝ていれば治る」と言われても、それを実体験したことのない人は、きっと不安が募るでしょう。しかし、一度やってみれば「なんだ。こんなに簡単だったのか」と思うはずです。ぜひ、トライしてみてください。

風邪は寝ていれば治る

 日本で、多剤処方が当たり前になってしまった背景には、国民皆保険制度、それに伴う子どもの医療費の無料化が挙げられます。ワクチン接種や、健康診断なども自治体の補助で手軽に受けることができます。
 こうなると、「検診は受けておこう」「病院に行かないと損」「薬をたくさんもらったほうが得」と考える患者側のマインドも大きな要因になってきます。そのような患者が多いと医者もサービスしておこうと考え、「なれ合い処方」になってしまいます。
 欧米では風邪は寝ていれば治るものと考えられており、すでに風邪薬は保険適用から外されています。日本では子どもが風邪をひいて39度の熱を出したら、迷わず病院に行って解熱剤をもらうという母親が多数だと思います。かくいう筆者自身も20年前は、そんな母親のひとりでした。海外においては、発熱とは自己の免疫力を高めて体内のウイルスを退治するための作用であるから、下手に解熱しないほうがいいという考え方が主流です。
 風邪に薬は不要というのは医療の分野では長く常識であり、社会保障制度改革推進会議などでも「風邪薬を保険適用から外すべきか否か」という論議がされています。日本感染症学会や日本化学療法学会はガイドラインで、「風邪はほぼすべてウイルスを原因とするもので、抗菌薬は効かない」としています。
 平成26年の診療報酬から「うがい薬のみの処方は保険適用から外す」ことになり、これだけでも医療費がかなり削減されたようですが、裏を返せば、うがい薬だけの処方はできないため、必要でなくても風邪薬を併せて処方することにつながってしまいます。
 風邪薬が保険適用から外されれば、いまだに横行する風邪に抗菌薬を処方する迎合処方にも、歯止めをかけられるでしょう。

風邪薬が負のスパイラルを呼ぶ

 これに対して肝心の患者側は、「海外ではたとえ常識でも、日本もマネする必要はない」と反対する声が多いようです。読者の中にも、風邪をひいたら医者から処方された薬を飲んで治すことが習慣化していて、強い反発を感じる方がいるかもしれません。
 しかし、私はこの「風邪薬を保険適用から外す」という考えに賛成です。病気には「免疫力、自然治癒力で治すべき領域」と「病院で処方されて薬で治す領域」があることを知る、格好の機会になると思うからです。
 特に小中学生がそれを実感することは大変重要です。自然治癒力を知らずに成長することは、大きな不幸です。薬に対する依存心ばかりが強くなって「薬の負のスパイラル」に陥りかねないからです。
 それは、薬が手放せなくなる→耐性ができて効かなくなり量が増える→効果が弱いので、別の薬が加わり増えていく→副作用が出るので、そのための薬が加わる→体を壊す、と続きます。このスパイラルの入り口は、たいてい風邪です。
 このように考えると、「風邪の薬を保険適用から外す」ことによって、「自分が持っている免疫力、自然治癒力で風邪を治す」経験をすることは、とても大切だと気づきます。風邪薬の保険適用について、今後の成り行きが注目されます。
 
 国民総医療費が40兆円を超えたことで、日本では薬に対する古い常識を改めようという動きが活発になり、国民一人ひとりが、医療や薬に対する発想転換をしないといけない時期に差しかかっています。
 今まで当たり前に飲んでいた風邪薬についても、本当に効いているのか、今一度考えてみることが、医療費削減の一歩になるのではないでしょうか。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

2016年1月16日土曜日

“風邪薬は不要”論①

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

年末から風邪をひいている方が多いですね。しかも、なかなか治らないで長引いている方が多いように思われます。
私はおかげさまで、今冬は今のところ風邪をひくことなく過ごせています(ん?あったかな?笑。あっても1日とかで治ったと思います)。

ということで、今日はこの記事を紹介いたします。



「風邪薬は無意味」は医療界の常識?保険

適用除外の動き 医療費削減議論が本格化




7月17日、社会保障制度改革推進会議の模様(サイト「政府インターネットテレビ」より)
 6月に上梓した『絶対に受けたくない無駄な医療』(日経BP社)が出版から1カ月で3刷りとなり、想定よりも売れ行きが好調だ。国を挙げた無駄な医療選定作業が進みそうであることも関係していると思われる。ここ最近で日本の医療経済の観点に関する大きな動きといえば、社会保障制度改革推進会議が7月に始まったところだろう。民主党政権時の社会保障制度改革国民会議と同じく、慶應義塾長の清家篤氏が議長を務め、首相の諮問に応える。医療や介護について、無駄を省きながら効率的に機能を強化することを目的としている。社会保障費の増大が問題視される中、無駄な医療の削減は必然の流れといえよう。

風邪薬の保険適用除外は世界的潮流

 7月18日付日本経済新聞は、この社会保障制度改革推進会議に関連し、健康保険組合の見方として風邪薬や湿布薬を保険適用外とする改革案を紹介していた。この案に反発を覚える消費者も多いかもしれないが、「風邪薬を保険適用から外す」というのは世界的な潮流から見れば違和感はない。
 薬を保険適用外とする施策は過去にも何度か行われてきた。例えば、ビタミン剤の単純な栄養目的としての処方が2012年4月から保険適用外になった。また、最近でも14年4月から、うがい薬単独の処方をする場合は保険適用外になった。以前では風邪で診察を受けた際に、ビタミン剤が栄養補給目的で処方されたり、うがい薬のポピドンヨードが処方されることがあった。結局、ビタミン剤やうがい薬は市販で手に入るし、保険適用により医療機関で安価に手に入れられるのは問題だと結論付けられた。この施策により、国費負担がそれぞれ50億円ほど削減できた。
 もっとも、医療費抑制は重要だが、それにより医療を受ける人の健康が害されたり、寿命が縮んだりしては元も子もない。ビタミン剤やうがい薬は、省いても医療の成果には影響しない、ほとんど無駄な医療行為と判断された面があるのは見逃せない。

●科学的根拠に基づく「無駄な医療」

 今後、国が無駄な医療を削っていく上では指針が必要になる。削減が医療の成果に影響しないと証明できる科学的根拠がいるのだが、実はそのような根拠に基づき「無駄な医療」を列挙したものがすでに存在する。米国医学会がまとめた「Choosing Wisely」である(7月14日付当サイト記事『「無駄な医療撲滅運動」の衝撃 医療費抑制も期待、現在の医療行為を否定する内容も』参照)。
 前出自著では「Choosing Wisely」の内容を100項目にわたってまとめているが、風邪に対してはあらゆる薬の処方は不要とされている。風邪に薬が要らないというのは、医療の分野では長く常識であり、風邪薬への保険適用は変えられない悪弊でもあった。日本感染症学会や日本化学療法学会はガイドラインで、風邪はほぼすべてウイルスを原因とするもので、抗菌薬は効かないとしている。さらに、「Choosing Wisely」では解熱薬すら無用であるとしている。従来の科学的な根拠によると、薬を使っても使わなくても風邪の治療には影響ないとわかっている。国としても、医療行為の成果につながらず、市販薬でも置き換わる薬に保険適用を続けていくわけにはいかない。そうした判断の下で、これから風邪薬が保険適用外となっても不思議はない。

●70歳以上の医療費引き上げも

 さらに8月3日付日経新聞によれば、70歳以上の医療費引き上げが検討対象にあるという。この方針には高齢者の負担増につながるとの反発も多いが、無駄な医療費削減の観点からすると、必ずしも悪いところばかりではない。ちなみに「Choosing Wisely」は、高齢者への医療行為も安易に増やすべきではないとしている。日本では、高齢者に対しても積極的に検査や治療を行う傾向はあるが、実際に健康の維持や寿命の延長につながっているのかは見えないところがある。高齢者への検査や治療が、寿命の延長につながるかを研究で証明するのは難しい。ただし、医療機関は感染症にかかっている人が多く訪れ、検査や治療には思わぬ事故のような有害性や副作用も伴うので、病院受診が高齢者のリスクにつながる可能性があるのは確かだ。高齢者にとって、医療機関での受診が経済的な負担になるのは、たとえ自己負担率が低くても変わらない。
 そのような背景から、「Choosing Wisely」は高齢者への安易な積極検査、積極治療を控えるよう求めている。米国は、保険制度も異なるから、同様にとらえられないとはいえ、検査や治療に伴うリスクが薄弱な日本では見習える部分も多々あるだろう。
 医療費抑制の流れがつながる中で、何が無駄で効率化できるのか。議論を進める上では「Choosing Wisely」のような指針の策定が重要になってくる。
(文=室井一辰/医療経済ジャーナリスト

2016年1月14日木曜日

アートメーク≠入れ墨に注意!

みなさん、遅くなりましたが(笑)あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。どうぞ、御贔屓に☆

今週月曜日、1月11日は「成人の日」でしたね。
毎年のことながら、ニュースを観ていて呆れる新成人が各地で続出しておりましたが...超ド派手な、およそ着物とは似ても似つかない着物や袴姿の新成人たちを観ては、「やめてくれ~!着物のイメージが悪くなるっ(>_<)」と着物愛好家の私としては叫びたくなるものでございます。
その親も「一生に一度のことだから、好きな格好をさせてやりたい」と、またまた思わず呆れ返るコメント。まさに「親の顔が見てみたい」ってやつですな。

戦前は15歳になると「元服」という儀式を行っていました。
大人の仲間入りをするとともに、そこで短刀を渡されたのだといいます。何かあった時には自分で自害するためのもので、大人としての責任感や覚悟を持たせるためだったそうです(間違っていたらご指摘ください)。
まさか、これを読んで「石関は自殺を良しとしている!」とか「自殺を勧めている!」なんて言う人はいないとは思いますが(笑)、私が申し上げているのはあくまで「大人としての自覚や責任を持つ」とか「自分で責任を持つ覚悟を持つ」ということです。念のため。

ちなみに、成人の日の趣旨は「国民の祝日に関する法律」(祝日法、昭和23年7月20日)第2条によれば「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」となっています。
果たして、一体何人の新成人が理解しているでしょうか...。

また、ニュースを観ていて成人式で暴れて捕まっていた新成人たちは顔が全然出ていなかったように感じられました。メディアは意図的に顔を隠したのでしょうか?それこそ成人となったのだからしっかりと顔を出すべきですし、大人の責任として厳正な処罰を受けるべきだと私は思います。彼らのどこに守る必要性があるというのでしょうか。
昨年可決された選挙権の18歳引き下げ。今年夏に行われる参議院選挙から施行となります。私は個人的には反対していたのですが、今回ではっきり確信しました。やはり、刑法がそのままで選挙権のみ引き下げられるのはおかしいと思います。大人として最低限の義務である刑法を守ることもできない「幼稚な大人」に選挙権を与える必要はありません。選挙権を引き下げるなら刑法も同時に引き下げるべきだと思います。

と、長くなってしまいましたが(笑)本題に入ります←ここからかいっ!



入れ墨とはどこが違う?人気の"アートメーク"、健康被害続出で無資格者摘発のケースも
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日常の化粧直しが楽になると評判だが...
 汗はもちろん、顔を洗っても落ちない眉やアイライン――。この数年、女性たちの人気を集めている「アートメーク」である。アートメークは針を使って顔面に色素を注入し眉や目元などをくっきりさせるものだが、唇に施す者も少なくない。「朝のゴミ出しも素顔でOK」「風呂上がりでも眉がなくならない」「汗をかくのが気にならない、スポーツに打ち込める」など、特におしゃれに敏感な若い女性の間で話題になっている。
 施術にかかる時間は眉もアイラインも1時間ほど。麻酔を塗った後に、皮膚の浅い部分に色を入れていく。痛みは「ほとんどない」「がまんできる程度」という人が大部分だがときどき皮膚が腫れる人もいる。施術後は日焼けなどで徐々に退色し3年程度経過すると、かなり薄くなる。これが入れ墨との大きな違いだ。
 当初、施術を行っていたのは、いわゆるエステサロンなどで医師免許を持たない看護師やエステティシャンなどだ。しかし、厚生労働省はすでに平成13年11月、レーザー脱毛、化学薬品を用いたシミやシワの除去などの行為は医師法上の医業に当たると、都道府県に通知していた。医師免許を持たないエステサロンなどの従業員による施術で、健康被害が多発したからである。通知では、アートメークは「針先に色素を付け、皮膚の表面に墨などの色素を入れる行為」となっているが、この時点ではアートメークを施した者が告発された例はなかった。
 ところが今年3月、滋賀県の看護師が無資格で他人にアートメークを施したとして書類送検された。客の一人が、まぶたなどの痛みを訴えたからだ。国民生活センターによると、アートメークが原因で、腫れや痛みなどの健康被害を訴えてきた相談者は5年間(平成18~22年)で計111件あった。

●無資格でも入れ墨の彫り師は逮捕されない?

 ここで気になるのは、日本にも古くからある入れ墨である。アートメークは皮膚の表皮に、入れ墨は真皮に色素を注入するという違いはあるが、彫り師は無資格なので医師法上は同様の扱いであるはずだ。それなのに、これまで国民生活センターへの相談も彫り師の摘発もほとんどないのが現状だ。
 これは入れ墨を施す者が暴力団員であることが多く、たとえ、彫り師にミスがあっても訴えないからだと考えられる。また、入れ墨は、日本の歴史や習俗に基づいたものであるという点も見逃せない。
 では滋賀県の看護師の事件以来、アートメークの人気はというと、これがまだまだ健在だ。日本国内では医師が常駐する美容整形外科などがこれまでより高い料金で施術を行なっている。また韓国では観光客が手軽にアートメークを行えるように日本国内の半額以下で施術を行なっている。もちろん、多くは無資格者だ。日本からも旅行のついでにアートメークを行う人は少なくないが、失明や重度の角膜障害を患ったケースがあるという。
 いずれにしても、アートメークを受ける側も、それなりの知識と覚悟が必要だ。今のところの防衛策は、安易に施術を受けるのではなく、医療機関や美容所登録をしている店を選ぶことだ。
(文=チーム・ヘルスプレス)