2015年10月9日金曜日

禁煙治療の保険適用拡大

みなさん、こんばんは。ご機嫌よろしゅうございます。
気が付けば2ヶ月近く間が空いてしまいました...不精にもほどがありますね(^^;)

さて、気になるニュースを見つけました。



厚労省、禁煙治療の保険適用拡大を検討 20代の喫煙者減狙う          


 厚生労働省は4日、たばこのニコチンが切れるとイライラし、たばこを吸いたくなる喫煙者の「ニコチン依存症」を対象とした「禁煙治療」の公的医療保険の適用を拡大する方向で検討に入った。
喫煙歴など保険の適用条件を緩和し、20代の若年層も、自己負担が少なくて済む保険適用による禁煙治療を受けやすくする方向だ。若い世代の喫煙を減らし、将来の医療費を抑制する狙い。

 禁煙治療は平成18年から保険が適用されるようになった。患者はニコチンを含んだ貼り薬などを処方される。保険適用の対象患者と認められる条件の一つに、1日の喫煙本数に喫煙年数をかけた数値が200以上という基準がある。たばこを1日1箱(20本)吸っても、喫煙年数が10年を経過していなければ対象にならない計算だ。

 長年、喫煙しているヘビースモーカーの中高年は対象になりやすいが、20代は喫煙年数などが足らず、保険適用の対象外になるケースが少なくない。日本は海外に比べて禁煙治療の受診率が低い上、「1日5〜6本でも依存症になる喫煙者には受診しづらい」(厚労省健康局)制度となっていることから、厚労省は200以上という条件の撤廃を検討している。

 保険適用拡大の是非は今後、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で議論され、実現は早くても来年度以降の見通しだ。禁煙する若い世代が増えれば、喫煙が引き起こすとされる肺がんや脳卒中などの病気予防になる。将来の医療費抑制につながるとの見方がある一方、適用拡大で医療費が一時的に膨らむとの懸念もある。

 成人の喫煙率は25年度で19・3%と緩やかな減少傾向にあるが、政府は34年度に12・0%に引き下げる目標を掲げている。



まず前提として、医療費を削減しようという考えは素晴らしいと思います。そこにはもちろん賛成です。
ただ、そのうえで申し上げたいのが今回の対策が本当に医療費の削減に向かうのか、ということです。

「適用拡大で医療費が一時的に膨らむとの懸念もある」とあるように、医療費はむしろ増加すると思います。なぜなら、単純に健康保険で治療を受ける人が増えるからです。
ただそれ以前に、「禁煙治療の適用が広がったから」禁煙治療を受け始めるという人が一体どれだけいるでしょうか。私は微々たるものだと思います。
厚生労働省としては、これにより「若い世代の喫煙を減らし、将来の医療費を抑制する狙い」なんだそうですが、私は既存の保険適用外での禁煙治療者が保険で受けるようになり、その分ただ医療費が増えるだけという結果に終わるように思います。

本当に喫煙者(特に若い世代)を減らしたいと本気で思っているのなら、その前に喫煙者を増やさない努力をすべきです。具体的にはキャンペーンや値上げなどです。
「禁煙する若い世代が増えれば、喫煙が引き起こすとされる肺がんや脳卒中などの病気予防になる」と言うのであれば、喫煙による害についてもっと大々的に宣伝すればいいと思います。敗戦後、アメリカの占領下に置かれた日本にやってきたGHQが行った占領政策(お米批判とパンの奨励、牛乳の普及など)のように。
また、たばこ税をもっと上げて値上げをすれば、喫煙者は自然と減ると思います。税収も入るし一石二鳥です。まぁ、たばこ会社からの猛反発はまぬがれないとは思いますが。

これらをやらないのは、結局は「本音と建て前」だからです。国民の健康を預かる責任がある厚生労働省の立場としては建前上、何か対策を打たなければならない。「喫煙者を減らす努力をしてますよ」という姿勢を見せなければ批判が来るからです。しかし本音では喫煙者には減って欲しくない。たばこ会社の売り上げと税収、そして禁煙治療に携わる病院と製薬会社の売り上げが減ってしまうからです。

要するに、これもまた医師と製薬会社が儲けたいだけの話なのだと思います。

そもそも、たばこの依存症の原因は本当にニコチンなのでしょうか。記事の中にも「ニコチン依存症を対象とした」とありますが、では他の原因だったら保険の適用外になるとでもいうのでしょうか。
よく「ニコチンパッドじゃたばこを吸った気がしない(吸ってないのだから当たり前ですよね)」と言う人がいますが、もし本当にニコチンが欲しい「だけ」ならそれで満足できるはずですが、現実にはそうではありません。吸った「気がする」ことこそが重要であり、満足感がなければ意味はあまりないわけです。

要するに、たばこの依存は「脳の問題」なのです。

脳が「たばこを吸うと気が晴れる」「たばこがストレス発散になる」などと快感を感じ、それを記憶することでまた「たばこを吸いたい」と思うようになり、次第にたばこを吸わずにはいられなくなる。これで依存の完成です。さらには「食後」「お酒」「コーヒー」などと一緒にたばこを吸うことが続くことでそれらとセットで記憶されることで習慣化し、その場面になると吸いたくなる...というわけです。
逆を考えれば分かりやすいと思います。たばこを吸った時に「まずい」「煙い」などと不快感を感じれば、二度と吸いたいとは思わないでしょう?
勉強や仕事、新しく始めた趣味など、すべて一緒です。すべてはどういう「イメージを持ち、それを記憶したか」で長続きするかややる気などが変わってきます。

要するに、禁煙治療で禁煙できた人は習慣化した脳のたばこへの依存を断ち切るツールがたまたま禁煙治療だった、ただそれだけのことです。現に禁煙治療などしなくても禁煙できた人はたくさんいらっしゃいます。

本当に医療費を削減したいのなら、先ほども申し上げたように新たに吸い始める人を減らす努力がまずは何より優先だと思います。そのうえでいわゆる「禁煙グッズ」などに頼らずとも禁煙はできるという正しい情報を厚生労働省やメディアはきちんと普及させるべきです。
はっきり申し上げて、それでもたばこを吸って病気になるのでしたらそれはもはや自業自得としか言いようがありません。そんな人の禁煙治療に保険を使うなど(財源は当然、私たち国民の血税)私はナンセンスだと思います。

いろいろな考え方があり賛否両論あるとは思いますが、私の私見を述べさせていただきました。

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