2016年6月3日金曜日

サーチュインにズームイン!

みなさん、こんにちは!ご機嫌よろしゅうございます。

日本は長年「世界一の長寿国」と言われております。
厚生労働省の調査によると、2014年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳で共に過去最高を更新し、女性は3年連続世界一、男性は前年の4位から3位。
14年生まれの女性の半数近くは90歳の卒寿を迎えると試算しました。

日本人の平均寿命は戦後ほぼ一貫して延びており、女性は1984年に、男性は2013年に初めて80歳を突破。2014年は2013年と比べて、女性が0.22歳、男性は0.29歳延びました。

この数字は(本当ならば)素晴らしいですよね。世界に誇るべき、まさに「世界一の長寿国」です。

ちなみに、厚労省は平均寿命とは別に、健康上の問題で日常生活が制限されない期間を示す「健康寿命」も算出しています。こちらは2013年で女性が74.21歳、男性が71.19歳だそうで、こちらは世界2位。
当たり前ですが、日常的に介護や介助を必要としないで、自立した日常生活を普通に送れた方が良いと思います。ですので、平均寿命ではなく、この健康寿命を延ばしていくことが理想です。

こういった数字だけを見るととても良い感じがしますが、一方で社会保障費は年々増え続けており、政府の財源を圧迫し続けております。
果たして、上記の数字をそのまま鵜呑みにしても良いのか、素直に誇って良いのか、疑問に思うところではありますが、国民一人一人が健康を意識し、平均寿命ではなく健康寿命を延ばしていく努力をし続けていきたいですね。



4人に1人がかかる認知症、新たな予防法発見?
長寿遺伝子「サーチュイン」とは?


【ビジネスジャーナル初出】(2014年10月)
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「長寿遺伝子」が認知症を予防するかもしれない wavebreakmedia / PIXTA(ピクスタ)
 高齢化が進むとともに増えている認知症患者。厚生労働省の調査によると、平成24年の時点で推計462万人、認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の65歳以上の高齢者も約400万人いると推計され、高齢者では4人に1人が認知症の予備軍だという。今や誰にとっても他人事ではない問題なのだ。
 認知症の中でも、脳梗塞や脳出血などによって起こる「血管性認知症」が約3割を占め、増加傾向にある。背景には食生活の欧米化などによる、糖尿病や高血圧患者の増加があるといわれている。
 予防には、脳梗塞などに使用される抗血栓薬、いわゆる「血液サラサラ薬」に一定の効果があると考えられている。しかし出血性の合併症が起きる可能性もあり、副作用の少ない新たな治療法の開発が求められてきた。
 そんな中、日本発の朗報がもたらされた。国立循環器病研究センター、名古屋大、京大の共同研究グループが、長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン」を脳内で活性化させることで、血管性認知症の予防ができることを明らかにし、米医学誌『ストローク』に発表したのだ。
 サーチュインとは、すべての人が体内に持つ生物の寿命に関わる遺伝子。普段は眠っているが、飢餓などの危機的状況に陥るとスイッチが入り活性化する。長寿遺伝子とも呼ばれ、アンチエイジングを実現する可能性があるとして、世界中で研究が進められているものだ。

●長寿遺伝子がマウスの脳を活性化

 研究グループは、サーチュインの活性化で脳卒中が原因となる認知症を予防できるのではと考え、脳のサーチュイン量が通常の2~3倍になるよう遺伝子操作したマウスを作成。このマウスと普通のマウスに、頸動脈を細くする手術を行い、迷路を通らせる実験をして認知機能を観察した。 
 その結果、普通のマウスは頸動脈の狭窄によって認知機能の低下(認知症)が起こり、間違いが多かったが、サーチュイン遺伝子が働くよう操作したマウスでは認知機能が正常に保たれていたのだ。
 さらに原因を探るために両方のマウスの脳血流を測ると、遺伝子操作したマウスは頸動脈を細くしたにも関わらず、脳血流がほとんど減少していなかった。サーチュインが働くことで血管を拡張させる物質(一酸化窒素)を合成する酵素がONの状態に保たれ、脳血管を広げていたために血流が減らなかったのである。細胞内で指揮者のように働き、命を活性化させるサーチュイン遺伝子の力には、ただ驚くばかりだ。

●2015年には臨床研究も実施予定

 国立循環器病研究センターの猪原匡史・脳神経内科医長は、「サーチュインの働きを高めることで、脳卒中が引き起こす認知症を予防できる可能性がある。将来的には、血管病の合併頻度が高いアルツハイマー病もターゲットになる」と述べている。センターは来年にも、サーチュインの働きを強めるとされるポリフェノール「レスベラトロール」を、頸動脈狭窄のある患者に1年間投与し、効果を調べる臨床研究を実施するそうだ。
 レスベラトールは、ぶどうの果皮や赤ワインなどに豊富に含まれる。適量の赤ワインは健脳効果があると以前よりいわれていたが、認知症予防という側面からさらなる裏付けがなされるかもしれない。
 人体にもともと備わる力を利用して認知症が予防できるとすれば、本当に画期的なことだ。さらに研究を進めて是非予防法を確立してほしいと願う。多くの人が元気に老いることができなければ、世界一の長寿国である意味はないのだから。
(文=チーム・ヘルスプレス)

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