2014年9月26日金曜日

マッサージ

 みなさんは、マッサージは好きですか?
腰が痛い、肩が凝る、膝が痛い……理由は様々あると思いますが、少なからず1回は受けたことがある、という方が多いのではないでしょうか?
「マッサージを受けないと生きていけない!」これは少々極端にしても(笑)、「大好き!」「疲れたから揉んで~」などなど、日常的に受けに行く、という方もいると思います。

 では、そもそもマッサージとは何なのか?マッサージの効果って?

 なんとなく分かっていても、意外と答えられる人は少ないのではないでしょうか?
あまり考えずに受けている方も多いと思います。
事実、当院でも施術を受けに来始めてから1~2ヶ月くらい経った後に「マッサージってどういう効果があるの?」と聞かれることも多々あります(笑)。

 一般的にマッサージといっても、いろいろな種類があります。
あんま、指圧、マッサージ、リンパマッサージ……細かく分けるとたくさんありますが、ざっくり言ってしまえば代表的な効果は、
(1)筋肉の凝りを揉みほぐし、筋肉の硬さや疲労を取り除く。
(2)血液やリンパの流れを良くし、新陳代謝を促進させ、体の中に滞っている老廃物や冷えを取り除く。
などがあると思います。
もちろんこういった効果はあると思いますし、リラクゼーション目的やむくみ・冷えの改善などの目的で受けるのは良いと思います(当院でも足つぼ、リラクゼーションは行っています)。

 ただ、大事なのは「目的」です。何のためにマッサージを受けるのか?
先程のような症状の改善目的で行うのだったら良いのですが、痛みの改善としてはマッサージにも効果は限界があります。
もちろんマッサージで良くなる方、良くなるくらいの症状であれば問題ありません。ただ、マッサージを受けても効かない、もしくは良くなっても一時的な改善しかみられない……そういった方も多いのもまた事実です。
みなさんの中にも、そういった方は少なくないのではないでしょうか?

 それは、痛みの原因が痛い所そのものにあるのではなく、他の所に原因があって痛みが出ているからなのです。身体の痛みは、あくまで異常を知らせるサイン。
骨折や捻挫などのケガや化膿性炎症などを除いて、痛みの出ている場所そのものに原因がある場合はほとんどありません。
分かりやすい例で言えば痛風です。痛風になると足の親指などの関節によく激痛が起こりますが、足そのものが悪いわけではありません。原因はあくまでも食事を中心とした生活習慣にあります。
腰痛や肩凝りなども同じです。
もちろん姿勢や過労といった直接的な原因もありますが、それだけで痛みは起こりません。
肉体労働系の仕事やスポーツ、あるいはデスクワークといった体に負担をかけている方は世界中にたくさんいますが、体に不調を訴える人とどこにも異常を訴えない人とで差が出てくることの説明がつきません(もっとも、「体の使い方が悪い」「姿勢が悪い」などという要因も少しはあると思いますが……)。

 腰痛や肩凝り、膝の痛みなどの慢性疾患の痛みに関しては、そのほとんどの原因が脳にあります。なぜなら、痛みというのは脳で感じているからです。

そのため、腰や首肩、脚などを一生懸命マッサージで揉んでもらったところで、痛みは治らないのです。
マッサージを受けると、その気持ちよさを感じ脳から快楽物質であるドーパミンが出るため治った気になります(これをプラシーボ効果といいます)。
しかし実際には身体が治ったわけではないため、また痛みをぶり返してしまうわけです。

 さらにここで問題なのは、必要以上の力による強揉みのマッサージです。
人間の身体には防衛能力が備わっているため、外からの強い刺激が加わると、それらから自分の身体を守ろうとしてそれ以上に強く反発します。反発するのは身体の一番外側で、文字通り体を張って外敵から身を守ってくれている皮膚と筋肉です。
その結果、強いマッサージを受け続けているとかえって筋肉が硬くなり、凝りもひどくなってしまうという現象が起きます。
これでは本末転倒ですよね?心当たりのある方も多いのではないでしょうか?

 「リンパマッサージは強く揉むじゃないか」と反発される方もいるかもしれませんが、もともとの本場であるヨーロッパの方では撫でる感じに近い優しい手技が本来なのだそう。
日本に入ってきた時に「強い刺激じゃないと効いた気がしない」という日本人の国民性に合わせて、日本人用に強い手技に改良されたものが今のリンパマッサージなのです。
それはもはや本来のものではありません。

 また、よく「揉み返し」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。これは強いマッサージによって筋肉線維を傷つけ、筋肉細胞を破壊してしまい炎症を起こしてしまうことによって生じる副作用です。
痛みを取るために行うにも関わらず、余計に痛みを強くしてしまうような手技は、マッサージに関わらずそれは治療とは言えないと思います(ただし、好転反応は違うと思いますが……)。
一昔前はかなり流行ったカイロプラクティックや骨盤矯正のような強い刺激のある手技は、これからだんだんと下火になっていくのではないでしょうか?
現に世界の痛み治療の現場は微弱電流やAKA博田法など、弱い刺激による治療が主流になってきています。日本でも、それらしい看板を掲げている治療院や本が並んできていることにお気づきの方も多いのではないでしょうか?

ただし……日本の場合は先に述べた強い刺激が好きな人が多いという理由と、保守的で新しいものに関しては外国(とりわけアメリカ)が初めて広まったものを「右に倣え」で続いていく国民性なので、これが一般的な考えになるまでには相当な時間を要すると思われますが……。

 何度も言うようですが、あくまでも目的の問題です。
リラクゼーションが目的で「その場気持ち良ければいい」という考えでマッサージを受けるのであれば、それでいいと思います。
ただし、根本的に解決したい、ちゃんと痛みを取りたいといった場合には強揉みのマッサージはオススメしません。
なぜなら身体(特に筋肉、皮膚)にとってはむしろ逆効果であり、そもそも原因が筋肉ではなく別の所にある場合がほとんどだからです。

 ではその原因がどこにあるのか?
それは次回以降にまた述べさせていただきたいと思います(長くなってしまったので……汗)。

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